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平成29年第 1回予算決算委員会−03月13日-03号
平成29年第 1回予算決算委員会−03月13日-03号

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  1. 熊本市議会 2017-03-13
    平成29年第 1回予算決算委員会−03月13日-03号


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    平成29年第 1回予算決算委員会−03月13日-03号平成29年第 1回予算決算委員会                予算決算委員会会議録 開催年月日   平成29年3月13日(月) 開催場所    予算決算委員会室 出席委員    47名         三 島 良 之 委員長    田 尻 将 博 副委員長         澤 田 昌 作 委員     藤 岡 照 代 委員         光 永 邦 保 委員     大 塚 信 弥 委員         山 部 洋 史 委員     小 池 洋 恵 委員         三 森 至 加 委員     高 本 一 臣 委員         小佐井 賀瑞宜 委員     寺 本 義 勝 委員         西 岡 誠 也 委員     福 永 洋 一 委員         田 上 辰 也 委員     浜 田 大 介 委員         井 本 正 広 委員     藤 永   弘 委員         原     亨 委員     原 口 亮 志 委員         紫 垣 正 仁 委員     くつき 信 哉 委員         田 中 敦 朗 委員     那 須   円 委員         重 村 和 征 委員     村 上   博 委員
            上 田 芳 裕 委員     園 川 良 二 委員         倉 重   徹 委員     満 永 寿 博 委員         齊 藤   聰 委員     大 石 浩 文 委員         田 尻 善 裕 委員     上 野 美恵子 委員         白河部 貞 志 委員     鈴 木   弘 委員         津 田 征士郎 委員     坂 田 誠 二 委員         竹 原 孝 昭 委員     江 藤 正 行 委員         藤 山 英 美 委員     田 尻 清 輝 委員         落 水 清 弘 委員     古 川 泰 三 委員         北 口 和 皇 委員     家 入 安 弘 委員         田 辺 正 信 委員 欠席委員    1名         緒 方 夕 佳 委員 議題・協議事項   (1)議案の審査(42件)      議第 1号「平成29年度熊本市一般会計予算」      議第 2号「平成29年度熊本市国民健康保険会計予算」      議第 3号「平成29年度熊本市母子父子寡婦福祉資金貸付事業会計予算」      議第 4号「平成29年度熊本市介護保険会計予算」      議第 5号「平成29年度熊本市後期高齢者医療会計予算」      議第 6号「平成29年度熊本市農業集落排水事業会計予算」      議第 7号「平成29年度熊本市産業振興資金会計予算」      議第 8号「平成29年度熊本市食品工業団地用地会計予算」      議第 9号「平成29年度熊本市競輪事業会計予算」      議第 10号「平成29年度熊本市地下駐車場事業会計予算」      議第 11号「平成29年度熊本市都市開発資金貸付事業会計予算」      議第 12号「平成29年度熊本市熊本駅西土地区画整理事業会計予算」      議第 13号「平成29年度熊本市植木中央土地区画整理事業会計予算」      議第 14号「平成29年度熊本市奨学金貸付事業会計予算」      議第 15号「平成29年度熊本市公債管理会計予算」      議第 16号「平成29年度熊本市病院事業会計予算」      議第 17号「平成29年度熊本市水道事業会計予算」      議第 18号「平成29年度熊本市下水道事業会計予算」      議第 19号「平成29年度熊本市工業用水道事業会計予算」      議第 20号「平成29年度熊本市交通事業会計予算」      議第 42号「熊本市附属機関設置条例の一部改正について」      議第 44号「熊本市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正について」      議第 45号「熊本市消防事務に関する手数料条例の一部改正について」      議第 46号「熊本市城南地域整備基金条例を廃止する条例の制定について」      議第 47号「熊本市税条例等の一部改正について」      議第 50号「熊本市旧学校利用施設条例の制定について」      議第 52号「熊本市学校給食共同調理場設置条例等の一部改正について」      議第 54号「熊本市老人憩の家条例の一部改正について」      議第 55号「熊本市介護保険条例の一部改正について」      議第 57号「熊本市国民健康保険条例の一部改正について」      議第 58号「熊本市後期高齢者医療に関する条例の一部改正について」      議第 60号「熊本市再生可能エネルギー等導入推進基金条例の一部改正について」      議第 63号「熊本市企業立地促進条例の一部改正について」      議第 64号「熊本市エンターテインメント支援基金条例の制定について」      議第 65号「熊本市民会館条例の一部改正について」      議第 67号「熊本市都市計画・建築事務に関する手数料条例の一部改正について」      議第 104号「包括外部監査契約締結について」      議第 106号「工事請負契約締結について」      議第 110号「熊本市国民健康保険条例の一部改正について」      議第 111号「工事請負契約締結について」      議第 112号「工事請負契約締結について」      議第 113号「工事請負契約締結について」                              午前 9時59分 開会 ○三島良之 委員長  ただいまから予算決算委員会を開会いたします。  これより議案の審査に入ります。  本日は、当初予算及び関連議案に関する総括質疑を行います。  通告一覧表及び委員より申し出がありました資料につきましては、お手元に配付いたしておきました。  なお、質疑に当たっては項目ごとに答弁者を指名していただきますようお願い申し上げます。  それでは、予算決算委員会運営細目の発言順に従い、順次質疑を行います。  これより、自由民主党熊本市議団の質疑を行います。  持ち時間は95分となっております。  まず、小佐井賀瑞宜委員の質疑を行います。         〔小佐井賀瑞宜委員 登壇 拍手〕 ◆小佐井賀瑞宜 委員  改めまして、皆さんおはようございます。  自由民主党熊本市議団小佐井賀瑞宜でございます。  最初のトップバッターということで、気を引き締めてまいりたいと思っております。時間も限られておりますので、執行部の皆さん方には、明快な答弁を求めたいと存じます。よろしくお願いいたします。  それでは、最初に、予算編成並びにその査定状況についてお尋ねさせていただきたいと思います。  各局各課の予算編成に当たっては、28年度決算状況や熊本地震からの復興状況をベースとして、大幅なマイナスシーリングからスタートされたと伺っております。それゆえ、各局各課においても、例年以上に厳しい予算組みの作業が求められたものと推察いたしています。  そこでまず冒頭に、予算編成前の各局各課の予算組みの状況と、財政局におけるヒアリング並びに査定状況についてお尋ねいたします。  予算要求に対する査定後の結果について、予算要求状況一覧表を拝見させていただきましたが、この一覧表には、例年の状況を踏まえたところと、また現況に応じた必要性の高い事業を余すところなく表示されているわけでございますが、この結果には正直驚きました。そのほとんどがA査定となっております。細かい数値内容を申し上げますと、957項目で、A査定92.5%、B査定が4.4%、C査定0.5%、D査定が1.1%、E査定がゼロ%、対象外14項目1.5%という結果でございました。  参考までに、昨年の状況を振り返りますと、かなり厳しい査定状況であったことがうかがえます。その内容は、981項目、A査定73.2%、B査定が16%、C査定が4.8%、D査定2.3%、E査定が0.4%、対象外18項目1.8%という結果となっております。  このような対比結果を踏まえれば、29年度の当初予算査定状況は大変円滑に進行し、決定に至った様相を呈しております。予算編成段階での取り組み方は関係各課も、財政局もそれぞれが優秀であるということをこの資料は物語っております。  楽観的に想像すれば、各局各課の懸命な事業への取り組みや、その検証が予算組みの円滑化をもたらしたものとも解釈できるでしょう。もしくは、財政局の各課への事前の指示が的確であったとも感じられます。しかしながら、ただいま私が所見を申し述べましたとおり、そのように率直に受けとめてよいのか、いささか気がかりな部分もございます。  そこで、改めてお尋ねいたします。  各局各課の予算構築作業から始まり、財政局のヒアリングを経て、予算編成案に至るまでのそのプロセスと査定状況をお示しください。資料が示すとおり、昨年よりも円滑に業務が進行したのであれば、その背景をお尋ねいたします。また一方では、問題視されることはなかったんでしょうか。財政局長に見解を求めたいと思います。         〔宮本邦彦財政局長 登壇〕 ◎宮本邦彦 財政局長  予算編成並びにその査定状況についてお答え申し上げます。  予算編成のプロセスについてでございますが、予算編成に当たっては、まず私から各局長に対して、本市を取り巻く財政環境や予算編成基本的考え方などについて予算編成方針としてまとめ、通知いたしております。  平成29年度当初予算の編成につきましては、震災からの復旧・復興に集中いたしますため、各局みずからが事業の選択と集中を厳格に判断しながら、限られた財源やマンパワーを効率的、効果的に活用することなど、各局に主体的な事務事業の見直しを求めたものでございます。  このようなことから、予算要求に当たりましては、各局長主導のもと、震災を踏まえ、事業の優先順位を設定するなど、職員一人一人が既存事業と復旧・復興事業のバランスや、事業効果の最大化、事務事業の見直しや業務の効率化等を意識して取り組んでいただいたものと認識いたしております。  その後の査定におきましては、各局の要求をもとに事業内容等についてヒアリングを重ね、歳入歳出のバランスを図りながら査定を行い、予算案として取りまとめたところでございます。  平成29年度の新規や拡充事業につきましては復旧・復興に関連した予算要求が多かったことから、査定状況を見ると、例年と比較しA査定、いわゆる要求どおりの査定が多くなっている状況となっております。         〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 委員  A査定が際立つ結果となったのは、地震対応の予算組みを柱に組み上げられたことに起因しているという答弁でございました。そして、各局各課が主体的に精査を重ねられたということでございました。ただ、地震関連だけがA査定となっているというわけでもないようでございます。  では、視点を変えて、少し詰めてお尋ねをさせていただきたいと思います。  私が気になった点は、昨年予算要求の段階でE査定となった項目が数点ありましたが、今回は一つもなかったということでございます。それと同時に、昨年E査定となった項目は、予算要求が実施されておりません。このことは、昨年度の査定結果を踏まえて、各局において事業そのものの必要性は限りなく低いと判断されたか、それとも全く検討するような状況ではなかったのかなど、幾つかの理由が考えられます。昨年要求があり、結果としてE査定となった項目は、歯周病検診の経費、私立幼稚園等特別支援教育経費、熊本市ふるさと名物商品インターネット販売事業学校教育支援事業などがございました。ちなみに、1年前を振り返りますと、昨年のこの場で公明党の井本議員から精査状況や事業に対する見解についてお尋ねがございましたが、私はその折、執行部の答弁を伺い、一部違和感を抱いたことを覚えております。それゆえ、今回の査定状況が気がかりとなったわけでございます。  そこで、お時間の都合もございますので、参考意見として1つだけその項目を掲げまして、これから予測できる課題の検証にいそしんでみたいと思います。  昨年、E査定として提示され、今回、予算要求がなされていない私立幼稚園等特別支援教育経費については、関係者、関係団体を初め、周囲からの御意見や要望はどのように受けとめられているんでしょうか。各局各課で議論に至らなかったんでしょうか。予算要求をされていない理由は何なんでしょうか。担当課の判断と、そこに至る状況について簡潔に、健康福祉局長にお尋ねしたいと思います。         〔池田泰紀健康福祉局長 登壇〕 ◎池田泰紀 健康福祉局長  私からは、予算要求の検討状況についてお答え申し上げます。  私立幼稚園特別支援教育助成につきましては、私立幼稚園に通園する障がいがある児童を対象に、園が行う特別支援教育に係る経費につきまして、県補助の補完及び上乗せを目的にした本市独自の助成を行うものといたしまして、平成26年度から継続して当初予算要求を行ってきたところでございます。  しかしながら、このような特別支援教育も含めた私学に対する財政支援は本来熊本県の所管でありますことから、まずは県に対しまして適正な支援を要望した上で、その状況も踏まえて本市独自の助成の必要性や県との役割分担などにつきまして整理を行う必要があると判断したものでございます。  障がいのある方が将来にわたりより豊かな生活を送るためには、幼児期などの早期に障がいを発見し、適切な支援を行っていくことが重要でございまして、一人一人の障がいの種類や程度に応じた指導を行います特別支援教育の充実の必要性につきましても、十分認識しているところでございます。
     今後も引き続き、県に対しまして市長会等を通じまして、特別支援教育国庫補助基準に準じた適切な支援が実施されますよう強く要望してまいりますとともに、特別支援教育の充実に向けた本市支援のあり方につきまして研究してまいります。         〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 委員  所管の違いについて、いまだ根強く抱いていらっしゃるようでございますけれども、今後の市独自の支援策については研究していく旨の答弁でございましたので、若干寄り戻したような気がいたしております。  ただいまの答弁において、担当課の方針が見えてまいりましたので、私の見解を示し、御提言を申し上げさせていただきたいと思っています。  ただいま一例として挙げました私立幼稚園特別支援教育のための措置費については、発達障がいの課題解消の基礎ともなる早期発見・早期支援の観点からいえば、今や義務教育課程での支援策よりも重要度が増しているのは明らかであります。  学識を初めとする専門家からも、授業公開の期待度も大変高い位置づけがなされております。そしてこの要望は、平成24年ごろから関係団体を通じ、毎年陳情が行われております。当時の所管の委員会でも、各委員から支援の必要性について理論的かつ現実的に意見具申が行われたはずです。ましてや、現在ではそのニーズはさらに高まっております。だからこそ、担当課は26年度から予算要求を3年連続で訴えてきた経緯がございます。  しかし、財政局は所管の違いを理由に、全てゼロ査定の判断を下されました。確かに、県の私学振興課は直近の窓口でございます。しかしながら、そこに妥当性や正当性を示すのであるなら、何ゆえ他の全ての19市の指定都市では、早期から支援策を講じていらっしゃるのかは摩訶不思議でございます。支援を講じていないのは、唯一本市だけです。この時点で、執行部が主張した理論は崩壊しております。重ねて申し上げれば、市域内の対象となる幼児に対する支援の平等性についても、著しく欠いております。  結論を申し上げれば、恐らく担当課も財政局も事業内容への認識不足、情報量の不足が指摘されます。いずれにしても、市民ニーズや、事業の必要性や現況について研究が進んでいなかったと結論づけられてもいたし方なしです。ただ、地震関連業務が主体となり、時間的なゆとりを損ねていたということはお察しいたします。  本日は本年度の当初予算審議が主でありますので、この件は一旦とどめ、本会議等での質問に具体的に掲げさせていただきたいと思っております。  さて、私が示したとおり、予算編成時の細かい現況まで追随をすれば、各局各課は現状を正確に受けとめ、公正な業務にいそしんでいらっしゃるのかは不安を生じてしまいます。また、このことは昨年度、ゼロ査定と判断した財政局も同様でございます。  今回拝見した予算要求状況一覧の表面化した部分だけを考察すれば、予算決定までのプロセスは円滑と判断されますが、それ以前に大切な事業が疎外視されたまま、全く数値として反映されていないということですから、予算構築のための基礎的状況に課題が残るということを指摘させていただきたいと思います。  私は、市民の要望やその時折の状況を研究してまいります。加えて、サイレント・マジョリティーを含めた視点が必要と心得ます。予算編成作業の過程に不備が生じないよう熱意を持って取り組んでいただきますよう、改めてお願い申し上げたいと思います。  さて、次に公債費の今後の見通しについてお尋ねさせていただきます。  今回示されました財政見通しによると、歳入において臨時財政対策債を除く市債の発行は徐々に減少傾向であり、地震の影響やここ一、二年の経済活性化策への投資を重く受けとめる一方で、抑制策にも留意しているようにも受けとめられます。また、歳出においては、今後の公債費の伸びは否めない状況で、実質公債費比率においては、ここ数年はわずかに高低するとはいえ、33年度から上昇傾向であると分析されています。  地震からの復興と経済対策による短・中期的な集中投資は、現在の本市にとって宿命づけられたものと理解を示したいとは思います。ただ、この数年後の投資的経費の減少を考察すれば、年度間の受益の公平性を含め、どのような反響をもたらすのかは、気がかりな部分でもございます。  いずれにしても、市民にとっては、税負担の公平性はいつのときでも不変のものである以上、年度間を問わず、公平・公正な受益が担保されるよう努めなければならないと考えております。  同じように、債務処理についてもしかりであります。公債費の負担が上昇し、その抑制策に重きを置くとすれば、本来受けるべきはずの行政サービスが低下するおそれは、それは否めません。結果的に、年度間の負担と受益のバランスが崩れ、世代間の受益の公平性が損なわれます。  そのような意味において、今後の中期的な公債費の推移と市債発行についての考え方について、そして課題として捉えている部分について、財政局長に見解をいただきたいと思います。         〔宮本邦彦財政局長 登壇〕 ◎宮本邦彦 財政局長  公債費の今後の見通しについてお答え申し上げます。  まず、公債費につきましては、平成29年度当初予算案では318億円となっており、今後、臨時財政対策債や熊本地震に伴う災害復旧事業債の償還額が増加してまいりますことから年々増加し、平成33年度には387億円になると見込んでおります。また、臨時財政対策債を除く市債の発行額は、平成29年度は447億円となっており、今後(仮称)熊本城ホールや熊本駅東口駅前広場など、中心市街地の整備が終息することや、熊本地震に関連した市債の発行が減少いたしますことなどから、年々減少いたしまして、平成33年度は233億円になると見込んでおります。市債の発行につきましては、住民負担の世代間調整や財政支出と財政収入の年度間調整といった機能がございまして、財政指標への影響等を考慮しながら計画的に発行することで、安定的な財政運営が可能になるものと考えております。  一方で、過去に発行いたしました市債の返済に要する経費であります公債費は、人件費や扶助費と並んで義務的な経費でありますことから、過度な市債の発行は財政を圧迫する要因にもなり得ると考えております。  このようなことから、市債の発行に当たりましては、それを充てる事業の性格や、地方交付税措置を除いて、後年度の世代に与える負担などを総合的に考慮して行う必要があると考えておりまして、今後とも市債の発行とその償還のバランスを意識した財政運営に努めてまいります。         〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 委員  課題認識を所持されているとともに、方向性は明確に示していらっしゃいますので、理解を示したいと思います。  ただ、先般の特別委員会では、地震の影響によって向こう30年間、年間6億円の改善が示されました。改めて緊張感に包まれたような気がいたしました。この数年、中心市街地幹線道路等のハード面やスポーツの世界大会開催など、ソフト面ともに集中的な投資が必須となる本市においては、慎重に計画性を持って事業立案と財政運営を心がけていただきたいと願っております。  関連し、続けて財政指標の中で、市債残高並びに臨時財政対策債についてお尋ねいたします。  今般の指標においては、市債残高の増加傾向は気がかりになるところでございますが、それよりもさらに気がかりなのが、臨時財政対策債の残高とその比率です。この臨時財政対策債の推移については、これまでも議会の中で、基本的な考え方と今後の推移について幾度も議論がなされてきた経緯があります。  27年第3回定例会では、大石議員がその危険性や偏在について指摘を行われました。その折、市長からも、地方固有の財源である地方交付税交付金の原資となる税源の法定率引き上げ要求等にいそしむ旨の答弁がございました。このことは、指定都市の提言書である大都市財源の実態に即応する財源の拡充についての要望、通称青本にも明記されています。そしてこの件は浜田議員も触れられたことがございます。さらには、私が記憶するところでは、落水議員がかなり早い段階で課題提起されていたことを思い出します。  それに相重なるように、昨年の第1回定例会でも市長は、依存度が高まる臨時財政対策債への懸念を表明されていらっしゃいました。このように、幾人もの議員がこの公の場で課題提起されてまいりました。この臨時財政対策債については、御承知のとおり地方交付税交付金の補完機能として制度化が図られたものであり、資料にも記載されているとおり、元利償還は後年度交付税に全額措置されることとなっております。ゆえに、その担保に甘んじて、この数年間起債を積み重ねてきた経緯がございます。その結果、本市においては、臨時財政対策債の残高が著しく右肩上がりで、5年後は現在比の150%超という指数が示されています。そして、この基準値で算定すれば、10年後は市債全体の50%以上を占めることが想定できます。  これまでの経緯とこれからの指数から読み取れることは、臨時財政対策債仕組みそのものが借金を借金で賄うという構造であるとも考えられます。  しかし、本来の行政需要に対応していくため現実的な財源不足を補うことを目的に、これからも発行せざるを得ないという奇妙な現実問題が存在しているということです。そして、そのことが起債残高の膨張という懸念材料を生み出しております。市債残高が増加の一途をたどり、地方財政の健全化を損ねているように危惧いたしますが、今後も発行し続けなければならないような現状に対し、財政局長はどのように捉えていらっしゃいますでしょうか。財政局長に見解をいただきたいと思います。         〔宮本邦彦財政局長 登壇〕 ◎宮本邦彦 財政局長  臨時財政対策債の残高についてのお尋ねにお答え申し上げます。  臨時財政対策債につきましては、地方交付税の原資が不足しておりますことから、その不足分を国と地方が折半して補填することとされ、地方負担分については起債により賄い、その元利償還金に対しては後年度において全額が地方交付税措置されるものでございます。  また、臨時財政対策債は、地方交付税の代替財源としての性格を有しており、地方交付税と合わせて、ごみ処理や消防、教育、福祉など、地方公共団体が担うあらゆる分野において一定水準の行政サービスを提供いたしますための重要な一般財源であると認識しております。  しかしながら、本来、地方交付税の総額確保につきましては、国において地方交付税の法定率引き上げ等により対応されるべきものと考えております。このため、地方六団体の指定都市市長会を通して、地方交付税の総額を確保した上で、臨時財政対策債を廃止するよう国に要望してきたところでございまして、今後とも地方が一体となって強く要請していく必要があると認識いたしております。         〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 委員  私としては、本市としての現在の状況が適正であるのか、健全であるのかという含みを持っての問いかけを行ったところでございますけれども、ただいまの答弁によると、臨時財政対策債は廃止して、その不足分は地方交付税交付金に当初から算入されるべきとの相変わらずの主張でございました。  ただいまの見解は、現状における国の方針に対する意見であり、本市としては課題が存在するのかという重要な部分については踏み込んでいらっしゃいません。しかしながら、回答は幾度も同じであろうと推察いたしますので、私の所見のみ申し述べてとどめておきたいと思っております。  この臨時財政対策債は国が制度化したものですが、この起債は自治体みずからの責任で発行いたします。そして基本的には、元利償還金が増大するに伴って地方交付税総額もふえなければならないと感じますが、地方交付税の総額は減少傾向であります。ゆえに、新たに交付される地方交付税が不足するのは当たり前のことであります。だから新たな債務が膨れる、そして一旦は自治体で肩がわりしておき、いずれ国の責任で処置を望むというのは妥当な考え方なのでしょうか。自転車操業以上のまことに不思議な仕組みであります。  国の借金は、金融構造や資産形成に大きくかかわりがありますので、断続的な国債発行を容認することが、今は可能でありましょう。しかし、地方自治体は打ち出の小づちも通貨発行権も所持してはおりません。その上で莫大な債務を抱えてみずからが運用しているわけですから、借金返済の第一義的立場にございます。幾ら後年度に交付税、交付金が担保されていても、やはりリスクが存在するのではないかと不安視をしてしまいます。  そして、答弁で示されたとおり、全国多くの地方公共団体から制度の廃止論と交付税の総額担保が根強く提言されておりますので、その論拠とあわせて仕組みや運用の関係性を重く受けとめるべきと感じております。  また、この制度の存続は、発行が現実困難な財政力の弱い自治体にとっては障壁になり得るとも判断されます。要は、本来交付されるはずの財源が目減りしたままの状況ですから、財政難に陥るのは予測できます。そこに、国が行う基礎的自治体数の適正化という行財政改革への政策誘導との意図も感じざるを得ません。だからこそ、これまでの議会での議論や、その指数を拝見し、私はいまだに異様な感覚さえ抱いてしまいます。もしかして、私が債務というマイナスイメージの言葉に翻弄されているのかもしれません。しかし、課題がなきところに提言はないとの思いも湧き上がっておりますので、今後もこの指数に注目し、研究を重ねてまいりたいと思っております。  さて、次に移ります。投資的経費に影響を及ぼす可能性という観点で、スライド条項の運用についてお尋ねいたします。  スライド条項とは、工事請負契約書第25条に記された、公共工事において片務性の排除と不明確性の是正を図るため、物価の変動等による請負金額等の変更についての規定を記します。少し今、難解な言葉を用いましたが、平たく申せば、物価が変わればそれに連動して公共工事の請負金額の変動が認められるということであります。  項目として記してありますのは、大きくは3つで、全体スライド、単品スライド、インフレスライドが明記されております。  そこで、まずはそれぞれの適用される対象となる工事や、工期の期間に関する概略的な説明を求めるとともに、本市の定める運用ルール等あればお示しください。あわせて、28年度はどれくらいの対象となる工事があったのか、実績について簡潔に御答弁いただきたいと思います。総務局長にお願いいたします。         〔多野春光総務局長 登壇〕 ◎多野春光 総務局長  工事請負契約におけるスライド条項についてお答え申し上げます。  まず、各制度の概略でございますが、全体スライドは、工期が長期間に及ぶ工事につきまして、比較的緩やかな価格水準の変動に対する措置でございまして、契約締結から12カ月を経過した後の2カ月を超える残工期に係る工事に対する資材、労務単価等の価格変動による上昇額が残工事費の1.5%を超える分について請負代金を変更するものでございます。次に、単品スライドは、特定の資材価格の急激な変動に対応する措置でございまして、特定の資材の価格変動による上昇額が対象工事費の1%を超える分について請負代金を変更するものでございます。また、インフレスライドは、急激な価格水準の変動に対応する措置でございまして、2カ月以上の残工期がある工事につきまして、残工事における労務単価等の価格変動による上昇額が残工事費の1%を超える分について請負代金を変更するものでございます。  2点目の、本市におけるスライド条項に関する運用ルールにつきましては、国土交通省の通知及び運用マニュアルに準じて取り扱っているところでございます。  最後に、28年度のスライド条項の適用実績につきましては、約20件の適用を見込んでおります。         〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 委員  丁寧な御説明、ありがとうございました。  本市独自の規定は存在せず、28年度は20件の適用見込みとのことでございました。  これまでの件数が問題視されるのかどうかというものではないわけですけれども、これからの本市の状況を考えると、少々気がかりとなっております。  御承知のとおり、本市では今後、建設需要が急速に高まり続けることは誰にでも理解できるわけですが、それに応じて人件費や資材等の関係経費を含むコスト上昇も予測できます。このように、変動著しい状況下において、多数の工事契約が行われた後、先ほど示されましたスライド条項の適用がどの程度生じるのか少々気になっているところであります。当然、この適用件数が増加すれば、今後の投資的経費の数値にも変化をもたらすものと考えられます。公債費も例外ではありません。  今後のスライド条項の運用件数の変動について、いかがお考えでしょうか。総務局長にお尋ねいたします。         〔多野春光総務局長 登壇〕 ◎多野春光 総務局長  スライド条項の運用件数につきましては、熊本地震によりまして、資材、労務単価等が上昇する中、議員も述べられましたように、スライド条項の適用がふえ、工事請負費が増大することが考えられます。  しかし、これらの対応は、熊本市公共工事請負契約約款の規定に基づく適正な措置でございまして、また迅速かつ着実に復旧・復興を行っていく上では、必要な措置であると考えているところでございます。         〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 委員  局長の見解では、スライド条項の適用がふえ、工事請負費は増大すると明確な予想を示されましたが、復旧・復興のための必要な措置と明言されましたので、そこを踏まえた当初予算の提示であろうとは考えております。  それでは、今度は全く違う角度からの課題について見解を求めたいと思います。  スライド条項には、その適用を乱発しないように、あらかじめ物価の変動を見通した範囲内での金額での契約を行うことが記されています。合理的な価格変動は、契約当初から予見可能なものであるとして、請負金額の変更を認めてはおりません。要は、建設工事の長期化を踏まえて、工事価格については、将来のコスト変動を含め、適正な金額での契約をしなければならないということでございます。しかるに、今の本市の状況から見れば、物価は短期間で著しく上昇していくことを前提として見ておく必要がございます。これは担当局でも認識されていらっしゃいます。  そこで一つ気がかりなのは、スライド条項の適用は頻繁に実施されないというのであれば、そのスライド条項の意図するものに阻まれ、各事業体は大変難しい工事金額の設定を迫られているのではないかと受けとめています。このスライド条項のそもそもの規定が障壁となる例はないかということでございます。そのことが存在すれば、これは復旧の足かせとなり得ることも否めません。  そこで、参考としてお尋ねいたしますが、熊本地震の発災以降の公共工事の入札の状況は円滑に進んでいるんでしょうか。特に、喫緊の状況について簡潔に御答弁をいただきたいと思います。総務局長にお尋ねいたします。         〔多野春光総務局長 登壇〕 ◎多野春光 総務局長  発災以降の入札状況についてお答え申し上げます。  工事入札の執行状況につきましては、震災復興関連工事の本格化に伴いまして、昨年10月ごろから不調となる入札が増加いたしまして、2月末までで139件の不調案件が発生しております。その原因といたしましては、労働者不足を初め、単価の高騰や工期不足などが主な要因となっていると考えております。  そこで、本市におきましては、労働者不足への対応策といたしまして、労働者を地域外から確保した場合、旅費や宿泊費等の費用を設計変更の対象としたところでございます。また、単価の高騰につきましては、これまでどおり資材単価の毎月見直しを継続いたしますとともに、労務単価につきましても、例年の4月1日改正を前倒しいたしまして、3月1日からの適用としたところでございます。  さらに、国の基準に基づき、諸経費に補正係数を乗ずる復興歩掛・復興係数を2月1日から適用いたしましたほか、十分な工期を確保するため、資材調達や労働力確保に要する期間を踏まえた工期設定を行う余裕工期の制度の活用も行ってきたところでございます。  今後も、スライド条項の適切な運用やさまざまな制度の活用を行うとともに、国や県、業界団体等と連携を行いながら、可能な限りの対策を講じ、一日も早い復旧・復興へ向け、取り組んでまいりたいと考えております。         〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 委員  やはり結果は露骨にあらわれているようでございます。  入札が不調気味であるということは、人的要因が主たるものではございますが、物価の変動が激しさを増すことを想定し、工事価格の設定が難しいだろうなとも感じます。単発的にスライド条項が適用されれば、幾分かは救われることになるんでしょうが、大もとの規定に阻まれるということになると、やはり工事を請け負う事業体にとっては、救済策とはなり得ません。ただ、その要因は、スライド条項のみのお話ではないようですし、この課題については、細かな配慮のもとに、対応にいそしんでいらっしゃることが示されましたので、そのことを含めたところでの予算も提示されているものと思います。決して復興に携わる業界にしわ寄せが来ないように、さらなる配慮をお願いしたいと思います。  財源の抑制を図ることも必要でございますけれども、復興の初期段階でありますので、要望に沿った措置を適時実施されますよう改めてお願い申し上げておきたいと思います。  続いて、教育関連予算についてお尋ねいたします。  今般の予算案では、県費負担教職員の権限移譲に伴い、教職員人件費334億円超の予算計上がなされています。まずは、この執行についての本市並びに教育委員会としての利点や、期待する部分と逆に不安材料となり得るような懸念される部分について、教育長にお尋ねさせていただきたいと思います。         〔岡昭二教育長 登壇〕 ◎岡昭二 教育長  県費負担教職員の権限移譲に伴います影響に関し、予算執行に係る期待と懸念についてお答え申し上げます。  県費負担教職員の権限委譲に伴いまして、学級編制基準や教育職員定数などを本市が主体的に決定することが可能となります。このメリットを生かしまして、例えば地域や学校の特色または課題に応じて、学力向上や生徒指導の充実のために、重点的に人員を配置するなど、国庫負担の対象となります定数のもとで、各学校の実態に即しました柔軟な職員配置を進めたいと考えております。  平成29年度当初予算におきましては、議員も御案内がありましたが、教職員の給料、手当及び共済費の人件費といたしまして、小学校約218億円、中学校約116億円、合計約334億円を計上したところでございます。  この執行につきましては、4,000人近い教職員の給与支払いとなりますことから、事務量が増加いたしますとともに、当然ながら間違いが許されない業務でございます。そこで、人的体制の整備と新たに開発いたしました電算システムの確実な運用が必要になってくるものと考えております。         〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 委員  教職員の配置に対し、柔軟な対応が可能となる旨の答弁であったと思います。  学校が現在抱える課題に柔軟に対応することが可能であれば、指定都市移行と、これまでの指定都市化への要望の実現という意味では、熊本市の発展性がはっきりと見出せます。具体的には、小人数学級の実現や、チームティーチングの充実、また専門教科職員等の強化など、子供やそれぞれの学校のニーズに幅広く対応することが考えられます。  ただ、私が懸念しておりますのは、財源が移譲してきたことによって、本当に全てにおいて拡充されると受けとめてよいのかという点であります。と申しますのも、改選後の平成27年の第2回定例会6月議会において、教育委員会の課題と称し、教職員の人事異動と人員不足についてかなり厳しく指摘を行った経緯がございます。  特に、教職員不足の件については、4月1日から新しい年度でスタートする時点において、11校15クラスに担任教諭が不在であったということを指摘し、その課題解消策について見解を求めました。その折、教育委員会としては、正規の職員の採用枠を大幅に拡大するとの熱い決意を述べられました。当時の数値は、小学校教諭新規採用を43名から110名に拡大したというものでございます。比率にすると260%に及ぶことが表面化いたしました。これについては、一定の評価はしたものの、同議会の代表質問において市長は、県費負担教職員の権限移譲が財源に及ぼす影響を課題視されていたということを掲げられました。そのことを踏まえて、私も今後の動向に留意されるよう促した記憶がございます。  さて、いよいよそのときがまいりました。その上で、熊本地震後の窮屈な財政運営を強いられようとしている状況です。今回、県費負担教職員の権限移譲に伴い示されている予算は、これまで以上の最大限の効果を生み出すものとして捉えてよいのでしょうか。財源全般に及ぼす影響を含め、いま一度学校教育現場において有益となると考えられるような、個々の事案を交えて見解をいただきたいと思います。教育長にお尋ねいたします。         〔岡昭二教育長 登壇〕 ◎岡昭二 教育長  引き続きまして、県費負担教職員の権限移譲に伴う影響に関しましての御質問にお答え申し上げます。  まず、県費負担教職員の権限移譲によります財政への影響についてでございますが、先ほど申し上げましたように、約334億円の歳出に必要な財源といたしまして、国庫負担金が約82億円、税源移譲に相当する県交付金が約115億円のほか、地方交付税等が措置されておりまして、財政全体に対する影響はないものと考えております。  また、学校教育現場における有益となると考えられます事例といたしまして、これまで熊本県と協議が必要でございました新規採用の教職員数につきまして、本市で主体的に決定することが可能となります。  議員御指摘の定員に対します臨時教員の割合、いわゆる欠員率につきましては、小学校で問題となりました平成27年度が最も高く、約11.3%でございました。平成28年度は新規採用者を大幅にふやしまして、その結果、約9.8%まで改善したところでございます。平成29年度につきましても、小学校で76名の新規採用を予定しておりまして、さらに改善する見込みでございますが、今後ともより主体的な採用等を行うことによりまして、適正な教職員配置に継続して取り組んでまいりたいと考えております。         〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 委員  全体的には、問題視される部分は少ないとのことで、今回の財源移譲によるメリットを最大限に引き出していきたいという旨の答弁でありましたので、期待を寄せたいと思っております。ただ、今回提示されている予算書の中で部分的に気になるものについて、さらにお尋ねさせていただきます。  財政全般に至って、毎年6億円程度の圧縮を図らなければならない命題が先般の特別委員会で示されました。そして、本年度予算は大幅なマイナスシーリングでのスタートです。その中で、教職員の人件費に係る事務が移譲されてきました。それゆえ、教員費の中で各事業費へ大きく影響し、懸念されることがないのか、疑問も生じたところでございます。  そこで、今回提案されている予算中、具体的例を掲げれば、教職員資質向上経費は昨年比12%減、教職員の資質・指導力向上経費は29%減、授業力向上支援員派遣事業は61%減など、教職員のスキルを上げる関連事業の経費が下方修正でございます。
     教職員の授業力向上は、極めて重要な意味を持ちます。このことは、私が昨年9月の第3回定例会本会議質問において提言申し上げたとおりでございます。  減額予算措置となっている背景に、県費負担教職員の権限移譲の影響は及んでいないでしょうか。  再度、教育長にお尋ねいたします。         〔岡昭二教育長 登壇〕 ◎岡昭二 教育長  教職員の資質向上に関しましてお答え申し上げます。  先ほど答弁いたしましたように、県費負担教職員の権限移譲に伴う給与負担につきましては、所要額に必要な財源が適切に措置されておりまして、これによりまして教育委員会の従来の事業に影響を与えるものではないと考えております。  なお、御指摘の教職員の資質向上でございますが、私どもは大変重要であると考えております。  今後、事業内容の工夫や再任用職員の活用等を図ることによりまして、着実に取り組んでまいりたいと考えております。         〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 委員  個々の事業については、手法を変えて着実に取り組むという意向ですので、安堵を得たところでございます。  児童・生徒のためには、理解の深まる授業の構築は何より重要でございます。そのためには、先生方のスキルアップは必須でございますので、教育センターや指導課を初め、関係各課には引き続き御尽力いただきますようお願い申し上げたいと思います。  さて、それでは私の最後の項目として、教育費の中の児童育成クラブの施設整備費経費についてお尋ねいたします。  社会は今、一億総活躍時代に突入し、経済の振興と安定的な生活設計の構築が図られる中、子育て支援のニーズは高まる一方です。中でも、児童育成クラブの課題解消は急務となっております。  対象となる施設では、スペース的なハード面の問題から、スタッフに係る人的なソフト面の課題まで、今やとどまることを知らずの様相を呈しています。  特に、定員数に対し利用者数が大幅に拡大し、安全管理の問題は、多くの地域や施設から根強い意見が行われております。  私たち自民党市議団も、現代社会における喫緊の課題と捉え、毎年重要項目の一つとして要望活動にいそしんでおります。  そのような状況下の中、本年度の予算措置は、管理運営経費については拡充が図られていますが、施設整備経費については50%近い減額計上となっております。ニーズに対応していない予算計上に違和感を抱いておりますが、適正な措置と言えるんでしょうか。  今後の整備計画の展望について、教育長にお尋ねいたします。         〔岡昭二教育長 登壇〕 ◎岡昭二 教育長  児童育成クラブの整備計画の展望につきましてお答え申し上げます。  議員御案内のとおり、子育て支援のニーズが高まる中、児童育成クラブにおけるスペース的なハード面、またスタッフ等のソフト面など、喫緊の課題であると認識いたしております。  クラブの増設に当たりましては、現在、学校施設の利活用を第一に取り組みまして、それが困難な場合に限り専用施設の建設等で対応しているところでございます。平成29年度予算におきましては、施設整備経費が減額となっておりますが、これはリース契約による施設整備手法の変更などにより、コストを下げつつ、同等の整備が可能となりますよう取り組んだものでございまして、例年同様、2校の増築を予定しているところでございます。  あわせて、例年2校程度でございました学校利用も8校を予定しており、これまで以上の整備が進むものと考えております。  今後も、学校現場と連携を図りながら、学校施設利用を積極的に進めてまいりますとともに、必要に応じて専用施設の整備にも取り組んでまいりたいと考えております。         〔小佐井賀瑞宜委員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 委員  ありがとうございました。基本的な方針を低下させずに、整備手法の変更によって事業の継続または拡充を図るということでございますので、引き続き工夫を凝らした事業展開をお願いしたいと思います。  ただし、この件については、意見と要望をそれぞれ1点ずつ申し述べさせていただきたいと思っています。  一つは、児童育成クラブの運営については、学校の施設内利用の促進が図られ、事業展開に期待を寄せるところではございますけれども、現在、学校現場では、教職員の先生方の業務がハードさを増していることは皆様も御承知のとおりでございます。そのような意味からしても、学校の利活用についても、先生方の業務状況や意向にも御配慮いただき、しっかりとした共通理解と連携のもとで事業展開されますようお願いしたいと思っております。  もう一つは、施設利用に関しては、学校の空き教室だけではなく、近隣に利用可能な施設が存在する場合には、ぜひ利活用の検討を進めていただきますようお願いしたいと思っています。具体的には、私が住まいいたしています地域では、学校施設内に旧用務員宿舎等の施設もございます。現在、利活用は行革の関係で控えられておりますけれども、建物そのものも地震被害から免れておりますので、現行のままで塩漬け状態では非常にもったいないと感じておりました。  市長並びに教育長には、地域の実情をお酌み取りいただきまして、ぜひこのような施設の利活用も視野に入れていただきますよう切にお願い申し上げたいと思います。  そして、結びに、これまで教育長には、私も本会議質問を含めまして幾度も厳しい指摘を行ってまいりましたが、私の短慮的な性格と、職務上とはいえ、これまでの御無礼は御容赦いただきたいと思っております。  岡教育長には、既に勇退の表明をされていらっしゃいますけれども、本日は大変気持ちのよい明快な答弁をいただきました。それゆえ、名残惜しい気持ちもいたしますけれども、今後の御活躍をお祈り申し上げさせていただきたいと思います。  それでは、盟友の高本委員にバトンを委ねます。  以上です。ありがとうございました。(拍手) ○三島良之 委員長  小佐井賀瑞宜委員の質疑は終わりました。  次に、高本一臣委員の質疑を行います。         〔高本一臣委員 登壇 拍手〕 ◆高本一臣 委員  おはようございます。  自由民主党熊本市議団の高本一臣です。  予算決算委員会の総括質疑のお時間を与えていただき感謝申し上げます。  早速ですが、質疑に入らせていただきたいと存じます。  復興元年予算と銘打たれた平成29年度一般会計当初予算でございますが、新年度予算の考え方については、我が会派の代表質問で三島議員がお尋ねされたところであり、その答弁で大西市長は、震災復興計画を着実に推進するとともに、上質な生活都市の実現に向けてリスタートするための予算編成である旨を述べられております。また、市長の答弁の中では、被災された全ての皆様が一日も早く生活を再建できるよう、そして多くの市民の皆様に、少しでも復興を実感できるよう、熊本地震からの復旧・復興の取り組みをさらに加速していく必要があることもおっしゃっており、この考え方は誰もが強く共感するものであります。  一方で、過去最大となる3,948億円の予算案に関しては、自主財源が約3割にとどまっており、震災からの復旧などで膨れ上がった経費を国や県の財政支援と700億円もの市債で補うこととなっております。とりわけ新年度からは、県費負担教職員の権限移譲に伴い、約335億円の人件費が追加されますので、ますます財政の硬直化が懸念されるところであります。  そこで、私からは、我が会派が代表質問や一般質問で取り上げた項目の流れを踏まえつつ、予算審議という観点から、もう一歩踏み込んだ形での質疑をさせていただきます。  1つ目、上質な生活都市の具体的な姿についてお尋ねいたします。  まず、本市が掲げる上質な生活都市の実現について確認させていただきます。  一般論として、上質な生活というものは個人それぞれの価値観によって異なるもののようです。例えば、音楽や芸術、ファッションなどの趣味を自分なりのこだわりを持って楽しむこと、あるいは生活の一つ一つをランクアップすることで、自分なりの満足感を得られることなどが挙げられると思います。  このように、上質な生活については明確な定義づけが難しい中、本市では第7次総合計画において、めざすまちの姿を、〜市民が住み続けたい、だれもが住んでみたくなる、訪れたくなるまち、「上質な生活都市」〜と掲げてあります。  そこで市長にお尋ねいたします。本市が標榜する上質な生活の実現について、その具体的な将来像をお示し願います。         〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  本市では昨年3月に、市民の皆様とともに熊本市第7次総合計画を策定いたしまして、めざすまちの姿として、〜市民が住み続けたい、だれもが住んでみたくなる、訪れたくなるまち、「上質な生活都市」〜を掲げたところでございます。  この計画におきまして、上質な生活都市とは、豊かな自然と歴史・文化に恵まれ、温かいふれあいに満ちた地域の中で、お互いに支えあいながら心豊かで幸せな暮らしが営まれているまち。そして、市民一人ひとりが、自分たちが暮らすまちに誇りを持ち、夢や希望を抱いて、生き生きと多様な生活を楽しんでいるまちと定義したところでございます。さらに具体的に申し上げれば、例えば高齢者が住みなれた地域で安心して暮らし続けることができるまち、子育て世代が子供たちを安心して産み育てることができるまち、そして次世代を担う若者がみずからの可能性にチャレンジできるまち、私は、熊本市の未来をそのように描いているところでございます。  私は、被災者の一日も早い生活再建を最優先に、地域経済の再生など、熊本地震からの復旧・復興を果たし、さらに上質な生活都市の実現へと邁進してまいりたいと考えております。         〔高本一臣委員 登壇〕 ◆高本一臣 委員  ありがとうございました。  市民の皆さんとともに、第7次総合計画を作成された中で、「上質な生活都市」が本市のめざすまちの姿であるとするならば、今の市長の答弁では、ともに作成した市民へ発信するのに少々わかりづらい感がしました。果たして新年度予算は「上質な生活都市」の実現に向けて可能なものなのかどうか、これからの質疑で確認していきたいと思います。  続きまして、地域経済の活性化戦略についてお尋ねいたします。  本市の総生産額についてお尋ねいたします。  地域経済の活性化戦略につきまして、このことは我が会派の代表質問でも取り上げられており、大西市長は、今後の経済活性化に向けた考え方について主に4点のことを述べられております。  1点目は、あらゆる分野での人材確保が最重要であること、2点目に、企業誘致や本市で開業を目指す方への支援または特色ある成長産業の振興が必要であること、3点目は、農水産物の競争力を高め、国内外への販路拡大を進めていくこと、4点目に、観光業を成長産業と位置づけ、国内外からの交流人口を拡大すること。  以上4点の経済活性化に向けた取り組みの方向性については理解しておりますが、もう少し数字を用いた具体的な議論ができれば、より事業効果がわかりやすいと思います。例えば、国の政策として経済成長を議論する際には、GDPという指標が最もよく使用されております。また、一部の自治体、例えば新潟県や横浜市では、地域内の経済動向を示す資料として、地域経済指標を独自に策定し、毎月公表されているところもあります。  そこで、市長にお尋ねいたします。経済の成長戦略など、議論するには何かしらの指標が必要と考えておりますが、本市では産業の総生産額についてどのように分析されていますでしょうか、お尋ねいたします。         〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  熊本市の総生産額についてのお尋ねにお答えいたします。  現在での最新公表値であります平成25年度の本市の市内総生産額は2兆3,337億円で、そのうち第一次産業の割合が1.2%、第二次産業が11.8%、第三次産業が86.2%となっておりまして、同規模の政令指定都市と比較いたしますと、農水産業などの第一次産業では、構成比も生産額も高く、製造業などの第二次産業では、構成比、生産額とも低いものとなっております。また、サービス業、卸売・小売業などの第三次産業においては、構成比も高く生産額も遜色のないものであり、本市は政令指定都市の中では、商業、サービス業を中心とした産業が発達した都市と認識しております。  このことから、本市経済の発展に欠かせない商業、サービス業の活性化を図りますとともに、熊本市しごと・ひと・まち創生総合戦略でもお示しいたしましたとおり、全国有数の産出額を誇る農水産物を生かした食品関連産業を初め、高齢化の進展に対応するヘルスケア産業、地球温暖化に対応する環境・エネルギー産業、都市型産業であるクリエイティブ産業などの成長産業の振興に取り組むこととしております。  また、今後も増加を見込みますインバウンドを視野に入れまして、旅行、運輸、宿泊、飲食など裾野の広い観光業も本市の成長産業と位置づけ、(仮称)熊本城ホールの開業に合わせたMICE誘致など、国内外からの交流人口の拡大にも積極的に取り組んでまいりたいと考えています。         〔高本一臣委員 登壇〕 ◆高本一臣 委員  同規模の政令都市と比較すると、第一次産業については、割合、生産額ともに高く、第二次産業は逆に低く、第三次産業は遜色ない状況であるという答弁でした。自主財源の割合が高い政令市においては、正規雇用が多く働く第二次産業の割合、生産が高いのが実情です。  本市としては、今後、第三次産業に属する商業・サービス業の活性化、また観光業にも力を入れていかれるとのことでした。それらの分野は、第二次産業に比べると非正規雇用の割合が高い分野でもありますので、正規雇用に結びつくような施策も同時に取り組んでいただき、ひいては定住促進、自主財源の向上につながるよう期待いたします。  続きまして、震災復興計画、新たな熊本市の経済成長を牽引するプロジェクトについてお尋ねいたします。  地域経済の活性化戦略として、震災復興計画に掲げられている新たな熊本の経済成長を牽引するプロジェクトにつきまして、執行部から提示された平成29年度当初予算案のポイントを拝見いたしますと、新たな熊本の経済成長を牽引するプロジェクトとして、20事業の総額156億1,200万円が計上されております。  厳しい財政事情の中、156億1,200万円もの事業ではございますが、経済成長を牽引するという表現からは、本市の並々ならぬ熱い思いが伝わりますと同時に、復興特需後の経済活性化という観点からすれば、その事業効果が大いに期待されるところでございます。  そこで、関係局長に2点お尋ねいたします。  1点目、くまもと食のPR・ブランド化推進事業など、本市が農水産物の販路拡大へ取り組むことによって、農水産業の生産額はどの程度向上するのでしょうか。  2点目、(仮称)熊本城ホール整備事業など、交流人口を拡大する本市の取り組みにより、サービス産業や小売業などの生産額はどの程度向上するのでしょうか。  いずれの答弁も具体的な数字をお示し願います。1点目は農水局長、2点目は経済観光局長にお尋ねいたします。         〔西嶋英樹農水局長 登壇〕 ◎西嶋英樹 農水局長  農水産業の生産額の向上に関するお尋ねにお答え申し上げます。  本市の基幹産業でございます農水産業の震災からの復旧・復興につきましては、熊本市震災復興計画の重点プロジェクトにおきまして、担い手への農地の集積、それから農業共同利用施設の再編整備など、将来にわたる持続的な発展を見据えた取り組みを推進することで、本市の農水産業の生産額を向上することといたしております。  また、議員御紹介の、くまもと食の復興PR・ブランド化推進事業につきましては、国内外をターゲットといたしまして、商談会や見本市への出展など、復興をキーワードに、観光部門とも連携して、生産者や事業者の販路拡大に向けた支援にも取り組むことといたしております。  議員お尋ねの農水産業の生産額につきましては、本市の基本計画でございます第7次総合計画におきまして、平成27年の531億円を平成35年までに549億円とする目標を掲げたところでございまして、重点プロジェクト等の取り組みを通じまして、震災からの早期復旧を図り、目標達成に向けて積極的な施策を推進してまいりたいと考えてございます。         〔石櫃紳一郎経済観光局長 登壇〕 ◎石櫃紳一郎 経済観光局長  私からは、サービス業や小売業などへの定量的な効果についてお答えさせていただきます。  交流人口の拡大に向けました取り組みの一つであります(仮称)熊本城ホール整備事業につきましては、県内への経済波及効果、これを年間約170億円と試算いたしましてお示ししたところでございます。これは産業別に37部門から構成されておりまして、レンタル、広告などの対事業所サービス部門、これが年間約42億円、宿泊・飲食などの対個人サービス部門、これが年間約39億円、小売などの商業部門は年間約14億円と試算しているところでございます。         〔高本一臣委員 登壇〕 ◆高本一臣 委員  ただいま農水局長の答弁では、農水産業の生産額について、平成35年までに549億円を目標と明確に設定しておられ、この事業は、その目標達成に大いに寄与するものと思われます。しかし、経済活性化の4つの大きな柱として掲げてある割には、昨年度と比較してもそんなに変わらない2,500万円程度の予算しか組まれておらず、果たして国内外での商談会や見本市への出展、販路拡大が十分にできるのか心配するところであります。中途半端になって事業の目的が達成できず、絵に描いた餅にならないよう取り組んでいただくことを切にお願いいたします。  また、(仮称)熊本城ホール整備事業については、経済波及効果が示されましたが、新たな熊本の経済成長を牽引するプロジェクトとして、他の事業の効果については不明確なのか、残念ながら示していただけませんでした。  繰り返しますが、新たな熊本の経済成長を牽引するプロジェクトとして20事業、総額156億1,200万円もの多大な事業費をかけるのに、経済波及効果の試算が示されないのはいかがなものでしょうか。そもそも経済成長を牽引するのは民間主導で行い、そこに費用対効果を十分精査した上で、行政が支援していくことが本来の役割と私は考えます。熊本地震に伴う財政影響額も今後ふえることが予想される中において、確実に効果を生み出せる事業かどうか慎重に判断して進めていかれるようお願いして、次の質問に移ります。  先日の熊本地震からの復旧・復興に関する調査特別委員会で御提示されました熊本地震に伴う財政影響試算について数点お尋ねいたします。  このことにつきましては、3月9日付の地元新聞紙において、2046年までの30年間、年に6億円の収支改善が必要との記事が掲載されました。8日の特別委員会において関係資料をいただきましたが、議論はまだまだ終わっていないはずです。現に私が、これから執行部に試算された内容についてお尋ねしようとしているところであります。試算とはいえ、報道に載れば市民の方はそれが事実だと認識します。先ほども述べましたが、復旧・復興費用が今後ふえることが想定され、そうなれば当然収支改善額もふえてきます。報道に対しては、執行部のもっと慎重な対応を求めておきます。  それでは、通告に従って質疑させていただきます。  先日の特別委員会で配付された熊本地震に伴う財政影響試算、3月試算の資料6ページに掲載されてある内容についてお尋ねいたします。議員の皆様方には、資料として配付されているのでごらんください。  まず、熊本地震への影響額として284億円が試算されております。そして、熊本地震分以外の収支の改善額として109億円が試算されており、284億円から109億円を差し引いた175億円が実質的な財政への影響額とされております。  なお、熊本地震分以外の収支の改善額109億円の主な内容に関しては、資料の下の欄に、市税の増約30億円、公債費の減約30億円、事務事業の見直し約48億円と記載されています。  そこで、財政局長に3点お尋ねいたします。  1点目、市税の増約30億円について、積算根拠をお示しください。  2点目、公債費の減約30億円について、市債の借入利率についてはどのような根拠に基づいて、どの時点で想定されたのでしょうか。  3点目、事務事業の見直し、約48億円では、5カ年にわたりシーリング予算を設定し、毎年約9.6億円を捻出されるようですが、現実的に可能なのでしょうか。  以上3点、財政局長にお尋ねいたします。
            〔宮本邦彦財政局長 登壇〕 ◎宮本邦彦 財政局長  熊本地震の財政影響試算について、地震分以外の収支改善に関するお尋ねに順次お答え申し上げます。  まず、市税の増についてでございますが、財政の中期見通しの作成に当たりましては、当該年度の予算をベースに、確定しております税制改正などの影響を反映させて推計いたしており、景気の動向や経済情勢の変化による伸びなどについては考慮いたしておりません。  今回、平成29年度当初予算案におきましては、国の地方財政計画の伸び率等を参考に、震災による影響を除きますと、前年度と比較いたしまして約25億円の増収となると見込んだところでございます。財政の中期見通しにおきましても、今後の試算のベースとなります平成29年度当初予算に、この25億円の増収分が加わりますことで、税収増に伴います普通交付税の減を考慮いたしましても、今後5年間の収支影響を試算いたしますと、約30億円の収支改善が図られるものと見込んだものでございます。  次に、公債費についてでございますが、直近1年で発行いたしました市債の利率が見込みより低下したことにより収支改善につながったものでございます。具体的には、前年度の中期見通しでは利率を1.5%と見込んでおりましたが、借り入れ実績は平均して0.126%となっており、利子負担の軽減による平成33年度までの収支影響を試算いたしますと、約30億円の収支改善が図られると見込んだところでございます。なお、平成29年度以降の借入利率については1%で試算いたしております。  最後に、事務事業の見直しについてでございますが、平成29年度の予算編成に当たりましては、要求上限を設定いたしました上、各局主導による事務事業の見直し等により、約9.6億円を捻出したものでございます。今回捻出いたしました9.6億円につきましては、見直した内容を維持いたしますことで平成30年度以降も効果が継続するものでございまして、平成33年度までの合計で約48億円の収支改善を見込んだものでございます。  来年度以降の新たなシーリングにつきましては、設定の有無も含め、現時点では言及いたしかねますが、将来にわたって持続可能な行政サービスを提供できる市政運営を構築してまいりますためには、継続した事務事業の見直しが必要であると考えております。         〔高本一臣委員 登壇〕 ◆高本一臣 委員  2点目の公債費の改善額約30億円については、市債の利率の見込みが低下したことによるものとの答弁でしたが、見込み利率が1.5%で実質は0.126%、その差約12倍と大きく乖離しています。これは、努力してなった収支改善というよりも、見込み違いによる結果、30億円負担軽減されただけのことだと認識します。しかも、平成29年度以降の借入利率は1%で試算されてありますが、直近の利率が0.126%ですから、8倍の数字で試算されているのが果たして妥当なのかどうか疑問です。試算はあくまでも試算ですが、財政のプロとして、数字はできる限り現実に近い形で想定していただくようお願いいたします。  3点目についてもう少し質問したいと思います。  昨年10月時点の資料では、これまでの住民サービスを低下させることなく、復興を加速化させる旨記載されておりましたが、今回の資料では、住民サービスに関する記載が削除されております。約48億円もの予算削減は、住民サービスの低下に影響するのではないかと危惧いたしますが、住民サービスの安定提供につきまして、市長の御見解をお尋ねいたします。         〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  事務事業の見直しによります予算の削減と住民サービスの安定的な提供に関するお尋ねにお答えいたします。  まず、平成29年度の予算編成に当たりましては、熊本地震からの復旧・復興に財源を重点的に配分いたしまして復興を加速する必要があったことから、要求に当たっては一定の上限額を示した上で、各局に主体的な事務事業の見直しを求めたところです。  見直しに当たりましては、各局長主導によりまして、事業の優先順位を設定するなど、市民サービスに影響が出ないよう意識しつつ、職員一人一人が震災を踏まえ、既存事業と復旧・復興事業のバランスや事業効果の最大化を意識する組織文化の醸成にも努めることで、事務事業の見直しや業務の効率化を進め、財源を捻出したところでございます。具体的には、出張所の再編やごみ収集車の乗車人員の見直し、類似事業の整理統合等によります嘱託・臨時職員の見直し、清掃や点検等、委託業務の精査などによる施設管理業務の見直し、会場が被災したことによるイベントの休止や、協賛金の確保等に伴う各種補助金や負担金の見直し、研修・出張旅費の見直しなど、市民サービスに影響が出ないよう配慮しながら取り組んだところでございます。  このような事務事業の見直しに当たりましては、事業の効率化や費用対効果等の観点から継続して見直しを行いまして、それによって生み出された人的・財政的資源を市民の皆様が期待するサービスに最大限に活用していくことが重要と考えておりまして、今後も不断に事務事業の見直しに取り組むことで、必要な市民サービスの提供に努めてまいる所存です。         〔高本一臣委員 登壇〕 ◆高本一臣 委員  事務事業の見直し、業務の効率化を進めることにより、嘱託・臨時職員を削減するが、市民サービスへの影響は招かないよう努力するという市長の答弁でしたが、震災復旧・復興が始まったばかりの状況で、マンパワー不足が課題となっている中、さらに嘱託・臨時職員を見直すことは、正規職員の負担増が予想され、市民サービスの低下につながるのではないかと危惧いたします。  出張所再編やサービスコーナー化による窓口嘱託職員の見直しは、マイナンバーカードの普及率向上が絶対条件であります。事務事業額の削減に固執せず、費用対効果を十分に精査し、同時に住民サービスの向上に努めていただきますようお願いいたします。  続きまして、歯と口腔の健康づくりの推進事業についてお尋ねいたします。  歯及び口腔の健康を保つことは、単に食物をそしゃくするという点からではなく、食事や会話を楽しむなど豊かな人生を送るための基礎となるものであります。生涯にわたり自分の歯を20本以上保つことを目標とした8020運動が提唱され、その実現に向け、歯の喪失の二大原因である虫歯と歯周病の予防のため、生涯を通して歯及び口腔の健康づくりを進めることは、医療費の適正化にもつながると考えます。  この事業の柱の一つでありますフッ化物洗口事業は、歯の質を強く丈夫にし、虫歯菌の働きを弱め、再石灰化を促進し、初期虫歯を修復する効果があります。  虫歯は重症化すると治療期間が長くなり、全身の健康にも影響することから、本人及びその家族にとって経済的負担が大きくなることが予想されます。いつまでも健康な歯を保つため、乳歯や永久歯が次々に生えてくる1歳から中学生くらいまでの虫歯になりやすい時期においてフッ化物洗口を行うことにより大きな効果が期待できます。  そこで本市は、このフッ化物洗口事業をモデル事業として進めてきました。  本事業の現時点での推進状況と、29年度の取り組みについて、対前年度事業費も含めて、健康福祉局長にお尋ねいたします。         〔池田泰紀健康福祉局長 登壇〕 ◎池田泰紀 健康福祉局長  歯と口腔の健康づくりの推進につきまして、お答え申し上げます。  平成27年度は、フッ化物洗口普及モデル事業として、7校において実施いたしました。本年度につきましては、フッ化物洗口事業といたしまして、9校において実施しているところでございます。  事業に伴います予算といたしまして、本年度は320万円でありまして、平成29年度は265万円の予算を計上いたしております。  現在、学校現場はもとより学校歯科医、8020推進員、保護者等の協力を得ながら実施しているところでございます。子供たちの健康な歯と口腔の健康づくりは、生涯を通じ全身の健康の維持増進のために重要であると考えております。  そこで、方法が簡単で安全で虫歯予防に効果があるフッ化物洗口を、乳歯が永久歯に生えかわる重要な時期でございます小中学生を対象に実施しているところでございます。  今後も、教育委員会と連携いたしまして、地域や保護者の方々の協力を得ながら、フッ化物洗口の普及に取り組んでまいりたいと考えております。         〔高本一臣委員 登壇〕 ◆高本一臣 委員  ありがとうございました。  先日も健康寿命のことが一般質問で出ていましたが、歯及び口腔の健康を保つことは、豊かな人生を送るための基礎となるものであります。その一つの方法、手段がこのフッ化物洗口だと認識いたします。40年以上前から取り組んでいる新潟県でも、今まで何の問題も起きていないことから、安全性の面で心配ないことは実証されております。  今後の課題として、答弁にもありましたように、この事業の実施校を拡大していくには、地域や保護者の協力が不可欠であります。事業費が削減されておりますが、教職員への負担をかけることなく、フッ化物洗口は地域で健康づくりの一環として行うことが理想であり、早い世代から健康への関心は、将来の予防医学ひいては医療費の適正化にもつながるはずであります。我々も事業推進をしっかり応援してまいりますので、頑張って取り組んでください。  最後に、子ども医療費助成の拡充についてお尋ねいたします。  今定例会におきまして、我が会派の寺本議員の一般質問を初め、多くの議員の方々が改正案について質問されております。  震災の影響もあり、再度制度設計を行うには、その苦労も理解できなくはありませんが、対象年齢の拡充を除いては、私も含めて子育て世代には納得できる内容とは言いがたく、もう少し議論させていただきたいと存じます。なお、今までの質問と類似するかもしれませんが、重要な事業の一つであることとして、御理解いただきたいと存じます。  まず1点目、前回案、平成28年第1回定例会においては、通院・調剤に対し、3歳から中学3年まで一律1,000円負担を提示されておりました。しかし、今回の改正案では、3歳から小学3年生までと、小学4年生から中学校3年生までに区分されておりますが、なぜそうなったのか根拠をお示しください。  2点目、子育て世代の意向を把握するため、アンケート調査を実施されておりますが、いつどのような方法で実施し、その結果を踏まえ、今回の修正案にどのように反映されたのか。  以上2点、健康福祉局長にお尋ねいたします。         〔池田泰紀健康福祉局長 登壇〕 ◎池田泰紀 健康福祉局長  2点のお尋ねにつきまして、順次お答え申し上げます。  まず1点目でございますが、子ども医療費助成の拡充に当たりまして、小学校3年生で区別する理由につきましてでございますが、制度設計をするに当たりまして、昨年度提案いたしました改正案では、小学3年生から中学校3年生まで、自己負担額を一律とした制度設計といたしておりましたが、より附帯決議に沿った検討をいたします中で、現行制度における助成制度の対象でございます小学3年生と、現在助成対象外でございます小学4年生とで、自己負担区分を分ける制度といたしたものでございます。  なお、医療費に係る年間負担額で比較いたしましても、小学3年生までが小学校4年生以降よりも割高となっていることも踏まえてのものでございます。  2点目の、アンケート調査の結果と修正案への反映についてお答え申し上げます。  昨年10月のアンケートにおきましては、調査対象を現に子育て中の世代からの意見聴取とすることを目指しまして、乳幼児、小学校1年生、小学4年生、中学1年生の保護者を対象に、保育園3園、小学校4校、中学校3校を抽出いたしましてアンケートを実施いたしました。また、学校経由で配布回収することによりまして、一般的なアンケート調査より高い回答率が期待できますことから、このような方法で実施したものでございます。  平成28年12月の厚生委員会におきまして、さきのアンケート調査では、3歳から小学3年生までの自己負担の見直しにつきまして、増額を前提とした設問となっていないとの御指摘を受けましたことから、1月に子ども文化会館等におきまして、自己負担増となることを説明いたしました上で、再度意見聴取を実施いたしましたところ、結果として、さきのアンケート調査と同様に、中学3年生までの拡充を望む声が多数聞かれ、このような意見を踏まえた上で制度設計を行ったところでございます。         〔高本一臣委員 登壇〕 ◆高本一臣 委員  アンケート調査に関してですが、昨年の12月の厚生委員会において指摘を受けて、再度1月に調査をされ、制度設計に反映されたということでした。  しかし、アンケートの問いかけの内容は、1つ、小4以降は現行制度のまま3割負担でいい、2つ、小3まで自己負担増となるが、そのかわり中3まで助成制度を拡充した方がよいと、この実質2択のアンケート質問内容となっております。その中で、全体の75%が拡充と回答されたとのことですが、このような問いかけなら当然そのようになるでしょう。  本当に附帯決議に沿って検討するのであれば、現行制度を維持しつつ、対象年齢を中3まで拡充した方がよいという選択項目を設けるべきではなかったのかと思います。また、薬価代がかかることは周知されていませんでした。既にこの時点である程度の制度設計が決まっていたのではないかと思えるような調査内容です。  本市の拡充制度対象年齢11万2,000名余のうち、172名だけの聞き取りという調査の点も指摘して、最後の質問に移りたいと思います。  お手元の資料をごらんください。  仮に、修正案の3歳から小3までの通院・調剤各700円の負担額を小6まで伸ばすとします。つまり、小4から小6までは自己負担がさらに軽減されるとなれば、毎年約7,000万円強の財源が必要となります。今申し上げました提示案での助成制度は、持続可能かどうか、市長に率直にお尋ねいたします。         〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  ただいまいただきました案につきまして、持続可能かどうか、直ちに判断はいたしかねますけれども、今回、私どもが提示いたしました案につきましては、できるだけ早く中学校3年生までの制度拡充を目指し、最大限努力した結果でございます。今回の案が、より幅広い世帯の皆さんの子育てへの安心感につながりつつ、持続可能な制度であると、今、判断しているものでございます。  熊本地震からの復興をなし遂げつつ、子育て支援の拡充を図るための提案でございますので、ぜひ御理解いただきたいと思います。         〔高本一臣委員 登壇〕 ◆高本一臣 委員  昨年第1回定例会での制度改正案、年齢拡充に当たりましては、大いに評価するものの、3歳から小3の子供を持つ世帯では、年間3倍から4倍程度の負担増と試算され、子育て支援施策の後退とも受け取れかねない内容でしたので、我々は附帯決議を付しました。  今回、再度提案された案は、3歳から小3までは現行制度より高くなっているものの、昨年の案からすれば300円の負担減、小4から中3までは、逆に昨年の案より200円の負担増となりました。修正案は、当然、前回の改正案より改善されると思っていましたので、この案を見せていただいて大変残念に感じました。  我が会派は、持続可能な制度を認識しながら、市長の掲げる上質な生活都市の具体的な姿として申し述べられました、子育て世代が子供たちを安心して産み育てることができるまちにできる限り寄り添った、そして何よりも少しでも子育て世代の負担が軽減されるよう、この制度環境の充実が少子化対策につながるよう議論を重ね、先ほどの提案をさせていただきましたが、市長の答弁は今までと何ら変わりなく、平行線だということを感じました。  子育てにかかる費用は、小学校高学年から中学校の方が、未就学児より高い調査結果などを考慮しての制度設計だと思いますが、高い保育料や幼稚園の授業料、1人当たりの医療機関にかかる受診件数を見ても、圧倒的に未就学年から小学校低学年が多いので、一概にそうとは限りません。  制度を改正することで、より安心して子育てできることが望ましいと考えるのは、市長を初め執行部の皆さん、我々議会、そして何よりも子育て世代の保護者たちの願いでもあります。  今後、常任委員会や締めくくり質疑も控えておりますので、いま一度会派に持ち帰って議論したいと存じます。  新年度の予算案は、震災復興計画を着実に推進するとともに、上質な生活都市の実現に向けてリスタートするための予算編成ですが、財政への影響額は、仮設住宅やみなし仮設住宅の支援期間が終了した後など、これから新たな課題が必ず生じてきます。ますますふえることが想定され、その市長の的確な判断がさらに重要になってくると思います。  大変苦労も多いかと存じますが、議会も事業の費用対効果など、本来の役割であるチェック機能を果たしていくことを決意して、私の質疑を終わりたいと思います。  それでは、光永委員にバトンタッチしたいと思います。ありがとうございました。(拍手) ○三島良之 委員長  高本一臣委員の質疑は終わりました。  次に、光永邦保委員の質疑を行います。         〔光永邦保委員 登壇 拍手〕 ◆光永邦保 委員  自由民主党熊本市議団3番手、光永邦保です。  私からは、熊本城復旧整備事業の天守閣部分について質問したいと思います。  言うまでもなく、熊本城は熊本市のシンボルであり、お城の復興なくして本市の復興なしという思いは、全ての人に共通するものだと思っております。その切実な期待の中で、本市は昨年10月に熊本城天守閣復旧整備事業に係る技術提案交渉方式の公募型プロポーザルを行いまして、当初2者が応募して、しかし技術提案書の提出があったのは1者のみで、結局これを単独で評価し審査した結果、大手ゼネコンの大林組に決定しております。ホームページには、その技術提案書の内容や評価結果の点数、選考委員の方の意見など詳しく掲載されております。  本日、皆さんのお手元にお配りしているのが、その技術提案書の一部で、天守閣の内装展示部分の詳しい説明です。ごらんいただくとわかりますが、地下1階から地上6階までを展示室として一筆書き状に動線を設けて、熊本の歴史、復興への取り組み、石垣づくりなど、体験型のワークショップなどをつくり込むようになっております。  提案書によれば、この内装展示だけで7億円、天守閣全体で63億円となっておりますから、実に1割以上を占めております。  私は、最初にこれを見たときに、こんなものは必要ないのではないかと思いまして、執行部の方に確認しましたところ、まだ決まったわけではないということでしたので、改めてこの予算委員会の場できちんとお答えをいただこうと思います。  経済観光局長にお尋ねいたします。天守閣の内装展示部分については、今後どのような手順で、いつ正式に決定されるのか教えてください。         〔石櫃紳一郎経済観光局長 登壇〕 ◎石櫃紳一郎 経済観光局長  熊本城天守閣復旧整備事業についてお答えいたします。  天守閣の内装、展示内容につきましては、これまでの展示に係ります空調設備などの課題や展示内容に対します御指摘などを踏まえまして、刷新に向けた検討を行うこととしており、このことにつきましては国・県を初め学識者や関係団体からの意見なども踏まえ、昨年末に公表いたしました熊本城復旧基本方針にも位置づけております。  現在、天守閣の本格復旧工事の準備と並行いたしまして、優先交渉権者からの技術提案書をベースに、内装、展示内容の検討を進めているところでございまして、今後、特別史跡熊本城跡保存活用委員会や、市議会の御意見なども踏まえ、できる限り早い時期に、具体的な展示内容などについて決定してまいりたいと考えております。         〔光永邦保委員 登壇〕 ◆光永邦保 委員  手順としては、第三者委員会と市議会の意見を踏まえた上で、そして時期については、できるだけ早い時期にというお答えでした。早くしたい気持ちは誰もが同じだと思いますが、まずはしっかりと手順を踏むことをお願いしておきます。  私が問題だと思うのは、金額ではありません。天守閣復旧計画の中に、熊本市の観光戦略といった大きな考え方がほとんど配慮されていないからであります。  ただいま経済観光局長からは、昨年末に示した熊本城復旧基本方針の中で既に提案してあるということでしたけれども、私もこの基本方針は拝見しました。7つの基本方針と、それを具体化した23の主要施策がまとめてあります。  その主要施策の中の一つに、内装、展示内容の刷新と、あくまで展示更新ありきで述べられ、本当にそれが必要かといった検討がなされた形跡がありません。逆に、熊本市の観光に寄与するような表現、例えば回遊性をいかに高めるかといった言葉はどこにも出てきておりません。要するに、熊本市全体の視点からではなく、熊本城にだけ目を向けた基本計画であるという印象を持っております。  御承知のとおり、現在の天守閣は、明治10年に焼け落ちた後、昭和35年に再建され、それ以降は文字どおり熊本市のシンボルとして観光を牽引してきました。平成19年本丸御殿を復元して、来場者数は200万人に達し、新幹線効果を狙って多額の予算を投じて城彩苑をつくり、中心市街地への観光客の取り込みは、今まさに始まったばかりであります。さらに、外国からのお客様の誘致も喫緊の課題であります。  お城を取り巻く環境は、今やどんどん変化しております。ここで提案された天守閣を、一度観光客の立場からイメージしていただきたいと思います。  二の丸駐車場にバスで到着されたお客様が、歩いてまず天守閣に上り、その後、地上6階から地下1階までリニューアルされた盛りだくさんの展示物を見て回ります。優に1時間半はかかるでしょう。これだけ多岐にわたる展示物を見ると、熊本の歴史や文化を体感した気分になり、建物を出たときには、もう次は熊本ではなく別のところに足が向くのではないでしょうか。せっかく熊本城に足を運んでも、ほとんどの時間を天守閣の中で過ごし、次は別の場所に移動する。これでは、観光客の回遊性どころか、観光客のブラックホールになってしまうと思います。  熊本城が日本一たるゆえんは、その雄大さにあります。その景観とたたずまいが最大の見どころとなっております。それを楽しみに来るお客様を、なぜわざわざ狭い空間の中に長く閉じ込めてしまうのかが、私には理解できません。  私は、天守閣の内部は、必要最小限でいいと思っております。復興城主の方の名札を地下1階から順番に展示していくのは、非常におもしろいと思います。名札がふえることで、多くの人が元気づけられるでしょうし、全国から自分の名前を見に来る人がいるかもしれません。そしてもう一つ備えておきたいのが、次の見どころへの親切な案内板です。本物の文化財を見たい方は博物館へ、楽しみながら歴史文化を知りたい方は城彩苑、わくわく座へ、そういう感じであります。  熊本市には、ほかにもすばらしい場所がありますというメッセージをここで発信できれば、十分回遊性の起点になり得ると考えております。  観光施設が乏しく、お城しかなかった時代の内装展示を目指す必要は全くありません。真に大切なものは何か。そして、無駄のない、目的にかなった復旧・復興を進めていただきたいと思います。もちろんこうしたチェック機能は、熊本城に限ったことではありません。  改めてお尋ねいたします。熊本城を中心に回遊性を高めていくことは、観光はもとより中心市街地活性化の大きな柱であったと認識しております。  今後の桜町の開発を含めて、どのように回遊性を高めていくのか、これまでの経緯を含め、これからの具体的な構想について教えてください。前市長の時代からこの問題にかかわってこられました高田副市長、お願いいたします。         〔高田晋副市長 登壇〕 ◎高田晋 副市長  それでは、桜町・花畑周辺地区のまちづくりを含めました中心市街地の回遊性についてお答え申し上げます。  桜町・花畑地区は、本市のシンボルでございます熊本城と隣接しており、また中心商店街の骨格ともなる2核3モールの一つの核でもございます。
     そのようなことから、にぎわいの創出により拠点性を高めまして、中心市街地の回遊性を向上させることを目的といたしまして、(仮称)熊本城ホールを含む桜町地区再開発事業やシンボルプロムナード等のオープンスペースの整備に向け取り組んでまいってきたところでございます。  今後も、「熊本城と庭つづき、まちの大広間」をコンセプトにいたしまして、この地区の持つ歴史性や熊本の水や緑といった豊かな自然が感じられる空間となるよう検討を進めまして、市民に親しまれますことはもとより、熊本城や城彩苑に来られた観光客も必ず訪れたくなるような新しい魅力のある場所にしていくことが重要であると考えているところでございます。         〔光永邦保委員 登壇〕 ◆光永邦保 委員  ありがとうございました。  ただいま御答弁の中にありました「熊本城と庭つづき、まちの大広間」といったコンセプトや、歴史性、豊かな自然、そういった要素につきましてはそれなりに理解しているつもりですけれども、いわゆる有識者や専門家と呼ばれる方の御意見は、いま一つぴんときません。シンボルプロムナードでよく言われます、あえてつくり込まないという表現も非常に謎めいて、雲をつかむような話に聞こえます。  結局のところ、何をどうしたいのか、かちっとしたイメージを打ち出していただきたいと思っております。例えば回遊性ですけれども、私は回遊性を生み出すためには、興味の連鎖が必要だろうと考えております。まず人の五感に訴え、引きつけておいて、そこからまた次のターゲットへとつなげていくというイメージです。あくまで例えばの話ですけれども、お城からおりて行幸橋を渡りまして、左手に加藤清正の銅像がありますけれども、例えばこの銅像が、お昼の12時になったら、台座ごと静かに回転していくと。そういう仕掛けがあれば、そこは間違いなく人気の場所になると思います。ドイツのアウグスブルクやミュンヘンにあるからくり時計のように、時間が来たら動き出すような大小さまざまな仕掛けがあれば、これはとてもおもしろい効果を生むと思っております。また、熊本にちなんだ歴史上の人物のオブジェを配置して、例えば夏目漱石であれば、そのオブジェの前に机といすを置いて、まるで漱石先生の講義を受けているような写真が撮れれば、これまたとても喜ばれると思います。とにかく、想像しただけでも楽しくなるような発想が欲しいと思っております。  シンボルプロムナードはわずか500メートル、お城を出てからの距離を含めますと約1キロ、これを誰もが歩きたくなるような知恵を結集してほしいと思っております。この全体の大きな間を確立した上で、先ほどの天守閣の内装部分を検討していただきたいと思っております。  大西市長にお尋ねいたします。  回遊性を高める等、本市の観光戦略をしっかり確立した上で、議会と十分連携を図りながら、天守閣復旧工事を進めていく。この考え方で間違いないでしょうか。改めて市長としてのお考えを伺いたいと思います。         〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  熊本市震災復興計画におきましては、「くまもとの元気・活力」をつくり出す観光分野の施策として、「震災からの再生をアピールし、集客を図る国内外へのシティセールスと観光戦略の展開」を掲げまして、熊本城の復旧過程が見える仕組みづくりなどに取り組むこととしております。また、熊本城から城彩苑を経て、中心市街地へとつながる回遊性の強化につきましては、これまでも主要な取り組みの一つとして、震災後はさらに重要性が増しているものと認識しております。  そこで、中心市街地の回遊性向上の観点から、桜町・花畑地区におきまして、熊本城ホールを含めた市街地再開発事業やオープンスペース、そして花畑・辛島公園など、エリア全体の一体的な整備を行うこととしております。  今後の熊本城天守閣の復旧におきましても、城彩苑のさらなる活性化、あるいは桜町・花畑地区整備などの取り組みと連携しながら、また今いろいろとお話を聞いておりまして、いろいろ考えたんですけれども、やはり回遊性という観点では、例えば県立美術館にあります永青文庫の常設展でありますとか、それから、先ほどもお話がありましたけれども、市立博物館でありますとか、さまざまな魅力がございます。ですから、そういったものをさまざまな形でコラボレーションしながら、全体的な魅力を高める、そして天守閣だけに限らず、天守閣だけでも一日いていただいて、また泊まっていただいて、さらにその周辺を回っていただくぐらいの、やはり幅広い戦略が必要ではないかなと、今話をお聞きしながら、さまざま考えたところでございます。  そういう意味におきましては、今、光永委員からいろいろな御提案も含めてございましたけれども、議会の御意見もしっかりとお伺いしながら、そして熊本城を訪れる多くの観光客の皆様、そして中心市街地への回遊性向上にもつながるように、全力で努めてまいりたいと考えております。         〔光永邦保委員 登壇〕 ◆光永邦保 委員  ありがとうございました。やはりさまざまなアイデアが求められると思いますし、お城に一日いて、また次の日もというには、相当な仕掛けが要ると思います。これは、これまで熊本市を訪れた方のその動向調査を詳しく行い、なぜみんなお城だけ見て帰っていくのかという、そこにいろいろなヒントが隠されていると思っております。  いずれにしましても、復興行政はどうしても縦割りになってしまいます。お城の管理事務所を初め、これまでお城にかかわる方々がさまざまな要求の中で、大変御苦労されてこれまで進めてこられたことは十分承知した上で、私は申し上げているところであります。  ただいま市長が述べられましたようなアイデアとか大きな考え方に基づいて、主導的に進めていただきたいと思います。  政令都市の中で、最も自主財源が乏しいのは熊本市です。その稼ぐ力をつけるためには、現在所有している観光資源を有効に活用する以外に道はないと思っております。複数の事業がばらばらに進められるのではなく、本市の経済活性化という大きな目標に向けて収れんしていくことを切に願望して、私の質問を終了いたします。ありがとうございました。(拍手) ○三島良之 委員長  光永邦保委員の質疑は終わりました。  以上で自由民主党熊本市議団の質疑は終わりました。  質疑の途中ではありますが、この際、議事の都合により休憩します。  午後1時に再開します。                              午前11時53分 休憩                              ───────────                              午後 0時59分 再開 ○三島良之 委員長  休憩前に引き続き会議を開きます。  総括質疑を続行いたします。  これより、市民連合、西岡誠也委員の質疑を行います。  持ち時間は55分となっております。         〔西岡誠也委員 登壇 拍手〕 ◆西岡誠也 委員  市民連合の西岡でございます。単刀直入に質問をさせていただきます。  子ども医療費の助成問題について3点質問する予定でしたけれども、2点に絞って質問させていただきます。  1点目、昨年、提案のときから附帯決議が可決されて、そして検討されてきたと思うんですが、その間、確かに地震とか大変な事件がありましたから事情はわかるんですが、ただ、今回提案される前に、少なくともそれぞれの検討した内容について、各会派に事前に説明とか、いろいろなシミュレーションを描いて、上限の負担がこれぐらいまでしかできないという話とか、やはり丁寧な説明が必要だったのではないかと思っています。そしてまた、具体的な中身についても、例えば薬代はこれだけした場合に何年生まで伸ばせますとか、いろいろなシミュレーションができると思うんです。ですから、そういう意味ではもう少し丁寧な説明と具体的なそういうシミュレーションを事前に示されなかったのか、この点について局長にお尋ねしたいと思います。         〔池田泰紀健康福祉局長 登壇〕 ◎池田泰紀 健康福祉局長  子ども医療費助成に関しましてのお尋ねにつきまして、順次お答え申し上げます。  まず、1点目でございますが、平成28年第1回定例会におきまして、第3回定例会までに見直すよう附帯決議として要請を受けておりました。熊本地震の発災によりまして、見直しに向けた取り組みを十分にできなかったことなどから、第2回定例会閉会中の議会運営委員会におきまして、子ども医療費制度の見直しの提案の延期及び平成29年第1回定例会での再提案を市長から報告させていただいたところでございます。見直し案の検討に時間を要しまして、十分な事前説明がなされなかったことにつきましては真摯に受けとめまして、今後の対応に生かしてまいりたいと考えております。  次に、事前にシミュレーションを示すべきだとの御指摘でございますが、今回の改正案の制度設計に当たりまして、自己負担額と助成総額を組み合わせましたさまざまな案を試算いたしまして、持続可能な制度となるよう検討を重ねてきたところでございます。さまざまなシミュレーションの中で、今回の案は3歳以上の自己負担額については見直しを行いますものの、中学3年生まで助成対象を拡充することで、幅広い子育て世帯の経済的安心感を得ていただけるものとして提案させていただいたものでございます。         〔西岡誠也委員 登壇〕 ◆西岡誠也 委員  今答弁がありましたけれども、いろいろなシミュレーションをやりましたということですけれども、そのシミュレーションを私たちは一切見ておりませんので、具体的な中身について事前に説明するというのは、こういう形で描いた場合にはこれだけの負担になりますとか、こういうやつを事前に話をしていただくというのが必要ではなかったかと考えております。  したがいまして、この中身につきましては、それぞれの会派の中でも議論があるでしょうし、また、市民連合としても検討させていただきたいと考えております。  次に、15%マイナスシーリングの影響についてお尋ねいたします。  予算編成をするに当たって、5%でも大変な状況にあります。しかも、15%という数字はかなり大きな数字でございまして、大変なことだったろうと思っております。そういう意味では、15%予算をカットしたことによって、市民サービスに及ぼす影響ですとか、いろいろなところに影響が出たのではないかと考えておりますけれども、この点について財政局長に、予算編成に当たっての考え方をお聞かせいただきたいと思います。         〔宮本邦彦財政局長 登壇〕 ◎宮本邦彦 財政局長  シーリングの影響についてお答え申し上げます。  平成29年度の当初予算編成に当たりましては、震災からの復旧・復興に財源を集中いたしますため、経常的経費及び政策的経費のうち道路や学校等に係る維持補修費や扶助費、さらには指定管理料等を除く一部の経費につきまして、前年度当初予算における一般財源総額に100分の85を乗じた額を予算要求における所要一般財源の要求上限額として設定し、各局が主体的に創意工夫による事業の見直しを行うよう求めたものでございます。  そうした予算編成方針のもと、各局におかれては各局長主導のもと、安易に一律削減することなく事業効果等を改めて検証し、優先順位づけを行った上で、事業の見直しを実施したものでございます。具体的には、出張所の再編やごみ収集車の乗車人員の見直し、類似事業の整理統合等による嘱託・臨時職員の見直し、清掃や点検等、委託業務の精査などによる施設管理業務の見直し、会場が被災したことによりますイベントの休止や協賛金の確保等に伴う各種補助金や負担金の見直し、さらには研修・出張旅費の見直しなどを行いつつ、市民サービスに影響が出ないよう配慮いたしたところでございます。  結果といたしまして、経常的経費と政策的経費をあわせた一般財源の総額で、前年度からマイナス6.6%となる約9.6億円の捻出につながったものでございます。         〔西岡誠也委員 登壇〕 ◆西岡誠也 委員  結果的には15%という形まではいかなくて、ですけれども、かなり多くのところに影響が出ているようであります。  きょう午前中の高本委員の話もありましたけれども、臨時・非常勤の皆さん方の減員とか、そういうところに影響があっているし、そして職員の研修とかこういうところに影響が出ているということであります。短期的にはそれでいいかもしれないけれども、やはり職員のスキルアップという意味では、研修、それから出張、他都市の調査、こういうやつも、当然長期的に見れば必要なことでありますから、それについても考えていく必要があるのではないかと考えているところであります。  次に、昨年の8月に当初予算の見直しが行われまして、約100億円の金額が復興予算、それから災害復旧、それから復旧・復興のためのマンパワーによる見直しというのがなされて、予算が見直しをされたということでありますけれども、この見直しをされて先送りされた予算が、ことしの当初予算に反映されているのかどうなのか、この点について財政局長にお尋ねいたします。         〔宮本邦彦財政局長 登壇〕 ◎宮本邦彦 財政局長  先送りした事業の予算計上についてお答え申し上げます。  平成28年度当初予算につきましては、熊本地震からの復旧・復興にマンパワーを集中いたしますため、8月補正予算において、事業の優先度や効果、適時性等を改めて精査いたしました上で、年度間調整による先送りや休止等による事業の見直しを行い、その結果、事業費で約100億円を減額いたしたものでございます。  平成29年度の当初予算編成に当たりましては、各局長主導のもとで全ての事業について、事業目的の達成状況や費用対効果等を検証いたしました上で、8月補正予算において見直した事業も含め、必要な事業につきましては予算要求されたものと考えております。  財政局におきましては、各局からの予算要求を受け、各事業の優先順位等を見きわめて予算編成を行ったところでございます。         〔西岡誠也委員 登壇〕 ◆西岡誠也 委員  そこでお尋ねいたします。  今、人口減少社会に関する調査特別委員会が開催されておりまして、その中で、いろいろな事業があるわけですけれども、熊本市しごと・ひと・まち総合戦略、この中で、熊本市が調査して、結婚、出産、子育て、切れ目のない支援をしていこうということで議論をいたしております。その中の一つの事業として、正規雇用転換促進事業というのがございました。ところが、この事業がことしの当初予算に反映されておりません。去年の当初予算には入っておりました。それからもう一つは、女性のための職場改善事業費というのも、昨年当初予算に計上されておりまして、ことしの当初予算には計上されておりません。特別委員会を設けて、非常に重要な事業だと思いますけれども、これが計上されていないことについて経済観光局長にお尋ねいたします。         〔石櫃紳一郎経済観光局長 登壇〕 ◎石櫃紳一郎 経済観光局長  正規雇用転換促進事業、それと女性のための職場改善事業についてお答えいたします。  正規雇用転換の推進、また女性のための職場改善というのは、雇用の質の向上や、今後課題となります人材確保、多様な人材活用などを進めていくためにも必要であると考えております。  この2つの事業は、平成29年度当初予算には反映されておりませんが、非正規雇用労働者の正社員化などの取り組みを実施した事業主に対しますキャリアアップ助成金や、従業員の職業生活と家庭生活の両立を支援するための両立支援等助成金などの国の制度を活用いたしまして、関係機関と連携しながら雇用の質の向上に取り組んでまいります。  加えまして、この2つの事業につきましては、県の熊本地震復興基金の活用事業として要望を行っているところでもございまして、今後引き続き要望してまいります。         〔西岡誠也委員 登壇〕 ◆西岡誠也 委員  今答弁がありましたけれども、確かに国の制度はあります。それと別に、熊本市としてこれまでそういう予算をつけてきた。しかも、この事業については、特別委員会を何回も開催しながら、そして現状の少子化の分析、そしてこれから先の対策として幾つか事業がありますけれども、その中の大きな事業としてあったと思います。ところが、去年計上して、確かに去年は地震がありましたから先送りする、これは仕方がないかもしれませんけれども、ことしは当初予算で当然計上されるべきと考えておりました。ところがありませんでした。これについて、市長、どうお考えなのかお尋ねいたします。         〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  雇用の質の向上のための取り組みということに関しましては、先ほど局長が述べましたとおり、私も大変重要なことだと認識しております。  地震からの復興が進んでいく中で、求人数の増加あるいは求職者数の減少など、雇用状況が復興需要により大きく変化しておりまして、平成29年度の予算編成に当たりましては、まずは事業主に対する直接的な効果が高いと見込まれます国の制度等を、まず活用して取り組むこととしたものでございます。  雇用の質の向上につきましては、当然、今西岡委員御指摘のとおり、特別委員会等々でも議論されておりまして、経済情勢や雇用状況等を注視しまして、今後も国・県等関係機関とも連携しまして、積極的に進めてまいりたいと考えております。         〔西岡誠也委員 登壇〕 ◆西岡誠也 委員  当然、熊本市だけでなくて国の制度、それから県も関係してくると思っています。  きょうの地元紙の中で、女性の非正規が55.6%とかいう数字が出されておりました。  それで、市長がおっしゃったのはよく理解できます。今、求人倍率はかなり高いということでありますけれども、この計画自体が5カ年ということになっています。しかも、熊本市としては当初予算で去年計上したわけですね。ところが、ことし計上されていなかった。だから、そういう雇用の変動というのはあるかもしれないけれども、ことしは計上されなくても、5年の計画ですから来年計上するとか、そういう熊本市独自の事業も展開していっていただきたいと思いますけれども、市長、その辺は、ことしはできなかったけれども、次年度についての決意をお聞かせいただきたいと思います。         〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  先ほど答弁申し上げましたとおり、復興需要等々で雇用情勢が今かなり変化してきております。  こうした状況も見ながら、さらに、御指摘のように非正規の割合というのも非常に問題視されているところでございますので、今後、そういう状況を鑑みながら、新年度に向けてはより効果的な施策がとれるよう、これは国の事業も県やほかの機関との連携をする事業も含めてですけれども、十分に考えながら新年度の予算については検討してまいりたいと考えております。         〔西岡誠也委員 登壇〕 ◆西岡誠也 委員  ありがとうございます。そういう特別委員会をつくっていろいろ議論する中で、計画はつくったけれども予算措置がされていないということになりますと、本当にこの計画をやる気があるのかということになってまいりますから、ぜひそれについては、もちろん国・県の制度もあるにしても、熊本市としてもそういう方針を出していただきたいということをお願いしておきたいと思います。  次に、職員の時間外削減と業務の見直しについてお尋ねいたします。  時間外削減については、進めなければならないと思っております。その時間外を削減する方法としては3つあると思います。1つはその仕事をするために人をふやす、もう一つは仕事量をできるだけ減らす、もう一つは仕事の能率をアップする、この3つしかないだろうと思っていますけれども、最初の職員をふやすということについては、なかなか厳しいというのが熊本市のこれまでの状況でございます。  ただ、先日来ましたけれども、仙台市では、東日本大震災の後、技術者が足りないと、よそから応援に来てもらっているということで、自分のところで技術者を採用する必要があるということで、かなりの人数を採用したという例もございます。ただ、熊本市の場合は今そういう状況になっておりませんので、それからしますと、時間外を減らすということになりますと、非常に内部で検討しないとうまいこといかないということになりますけれども、この辺の進め方について、どのように考えて進めようとしていらっしゃるのか、総務局長にお尋ねしたいと思います。         〔多野春光総務局長 登壇〕 ◎多野春光 総務局長  時間外勤務の縮減とその手法についてお答え申し上げます。  時間外勤務の縮減につきましては、職員の健康被害の防止及び総人件費の抑制の観点から、各局ごとに目標値を定め、これまで取り組んできたところでございます。特に今年度は、通常業務におきましては、業務効率の10%アップを目標に掲げ、復旧業務に必要な人員を確保いたしますとともに、時間外勤務の前年度比35%削減に取り組み、一定の成果を上げてきているところでございます。  復興業務が一層本格化する新年度におきましても、時間外勤務の縮減は重要と考えており、これまで実施してまいりました勤務時間の繰り上げ、繰り下げ、休日勤務の振りかえの徹底などを図るほか、事務事業のゼロベースでの見直し、会議や資料作成、それから業務手順や手法の見直しなど、市役所の仕事を見直したいと考えているところでございます。  その第一歩といたしまして、業務の終了時間を定めた時間外勤務のルールを試行しているところでございまして、このような取り組みによりまして、仕事の生産性を高め、時間外勤務の縮減とともに職員の働き方改革にもつなげてまいりたいと考えております。         〔西岡誠也委員 登壇〕 ◆西岡誠也 委員  今答弁がありましたけれども、現場はかなり、今まで行財政改革でいろいろな取り組みがなされてきております。今おっしゃったような中身も、これまでもかなりやられてきているという状況がございまして、大変な状況になっております。  それで、翌日に延ばせない仕事ということも、現場によってはそういう仕事もございますし、さらには先送りできる仕事、この仕事については省くことができるとか、そういう見直しは当然必要なんですけれども、必要なところで区切ってしまうと、その仕事は、翌日利用者のためにどうしても間に合わせなければならないということも実はありますから、そうした場合、ついつい持って帰って仕事をせざるを得ないとか、そういうことにもつながってまいりますから、その辺は現場をきちっと把握した中で対策していただくということが必要ではないかと思いますから、ぜひその辺についてはよろしくお願いしておきます。  次は、消防団組織の強化についてお尋ねいたします。  一般質問の中でも消防の問題を取り上げていただいておりますけれども、今度の震災を受けまして、地域の方では各種団体の皆さんがかなり活動していただきました。中でも各種団体の役員を担っている方は、どちらかというと年配の人たちが多くて、一生懸命されるけれども、力仕事については消防団の皆さん、そして水を運んだり、そういう機動性を発揮して活動していただきました。さらには、夜も安全のために夜間のパトロールをするとか、こういう活動を献身的に行っていただきました。  それと、予算の関係なんですけれども、先ほど財政局とやりとりをさせていただいておりますけれども、15%カットということはありますけれども、一方では、そういう防災の強化をするという意味では、必要なところには当然お金をかける必要があると考えておりまして、そういう意味では消防団組織の育成強化というのは、非常に私は重要だと思っております。それぞれの地域によって、消防団の活動、今回の震災における活動というのは、強弱はあったかもしれませんけれども、それを中心的に担ってもらうような人材の育成とか、研修とか、こういうところに力を入れるべきだと考えております。  この点について、消防の方で、消防団の確保の問題ですとか、研修の予算、それから消防団の育成、これについて局長の考え方をお聞かせいただきたいと思います。         〔中村一也消防局長 登壇〕 ◎中村一也 消防局長  消防団の育成及び予算確保についてお答えいたします。  消防団の育成につきましては、各区の消防署と合同で実施する各種災害を想定した連携訓練を初め、県消防学校への入校や他都市への視察研修など、活動の向上及び知識・技術の習得のための取り組みを計画的に実施しているところでございます。  また、女性消防団につきましても、高齢者や女性、子供などに対してきめ細やかな対応が期待できることに加えまして、火災予防や応急手当ての普及啓発、災害時の避難所の運営支援など、地域の中で大きな役割を果たしていることから、救命講習や災害対応訓練などへの参加を通じ、育成に取り組んでおるところでございます。  次に、消防団員の確保につきましては、消防団活動の重要性が増す一方で、団員数の減少が全国的な傾向として懸念されております。本市では、その対策といたしまして、大学生を対象といたしました機能別消防団、いわゆる防災サポーター制度を推進し、若い団員の長期的な確保に取り組んでおります。これらの団員の確保及び育成に関する取り組みも含め、消防団の運営に必要な予算の確保に努めており、地域防災のかなめとして消防団の役割は極めて大きいことから、今後も引き続きさらなる消防団の育成と関係部局と協議の上、消防団運営に必要な予算の確保に努めてまいりたいと思っております。
            〔西岡誠也委員 登壇〕 ◆西岡誠也 委員  ありがとうございました。  消防の方では、かなりいろいろ努力をされてやっておられます。私が申し上げたいのは、消防局だけの問題ではなくて、防災という観点で、やはり必要なところに必要なお金をかけるということで、きょうは局長に答弁いただきましたけれども、市長にも頭の中に入れていただいて、ぜひその辺の予算配分については配慮いただきたいと申し上げておきたいと思います。  以上、いろいろやりとりさせていただきました。  非常に立派な答弁が返ってきますが、実際それをきちんと実行する、計画をつくりますけれども、それを実行するというのが一番大切なことでありますから、ぜひそういう面では、今後チェックしながら、そしていろいろ今後も発言していきたいと思います。  これで私の発言を終わります。(拍手) ○田尻将博 副委員長  西岡誠也委員の質疑は終わりました。  次に、公明党熊本市議団、鈴木弘委員の質疑を行います。  持ち時間は45分となっております。         〔鈴木弘委員 登壇 拍手〕 ◆鈴木弘 委員  公明党市議団の鈴木弘です。平成29年度当初予算案について、会派を代表して総括質疑を行います。  さて、代表質問で井本議員も紹介したとおり、公明党市議団の政策要望は、震災対応編32項目、政策要望編83項目、合計で115項目となっています。また、これら115項目の要望に対しては各担当局から回答を本年2月にいただいており、改めて真摯な対応を評価するとともに、多くの項目で予算化または対応いただいたことに感謝します。  そこで、今回は改めてお聞きした方がよいと思われる点も含め、当初予算案についてお尋ねしていきます。  それでは、早速質疑に入ります。  通告の1、震災対応としての住家再建支援について、老朽危険家屋の解体促進、災害ごみ処理の積極的迅速な対応について伺います。  関連当初予算としては、災害廃棄物処理経費が計上されているほか、土木費のうち建築指導費が関連予算となっています。  さて、この老朽危険家屋の解体促進については、解体の順番は原則として受け付け順とした上で、特に危険家屋等で二次被害を引き起こすおそれのある建物は優先的に解体する、また、所有者、管理者等に対して、建築基準法等に基づき維持保全等の指導を行っていると伺っています。  そこでお尋ねいたします。  1点目、熊本市には老朽危険家屋は何件あるのでしょうか。特に、二次被害を起こすおそれのある建物は、そのうち何件でしょうか。  2点目、また特に危険家屋等で二次被害を引き起こすおそれのある建物として、優先的に解体した件数は幾つでしょうか。  以上2点を、環境局とも関連がありますが、まとめて都市建設局長にお伺いいたします。         〔肝付幸治都市建設局長 登壇〕 ◎肝付幸治 都市建設局長  老朽危険家屋と二次被害を起こすおそれのある建物の件数等についてお答えいたします。  熊本市の老朽危険家屋の件数につきましては、市民の皆さんからの情報提供等によりまして、約760件を把握しているところでございます。そのうち、隣接市などへの二次災害を起こすおそれのある建物が60件程度と確認しているところでございまして、関係部局と連携を図り、公費解体する建物は現時点で10件の予定でございます。         〔鈴木弘委員 登壇〕 ◆鈴木弘 委員  答弁では、市民からの情報提供などによる対象件数が約760件に上っているようです。軽微なものなど、所有者に指導することで危険が解消されるものもあるようですが、権利関係が複雑なものなどが残り、さらに熊本地震の発災により新たな相談もふえているのが実情です。また、隣接地などへの二次被害を起こすおそれのある建物が60件に上り、このうち震災後に公費解体で10件が解体される予定のようです。周辺住民の不安払拭に寄与するものと期待します。今後も1件でも多くの対象を求めておきます。  その上で、現在は建築指導課が中心になって対応していますが、震災からの住宅再建がふえ、相談事業などの通常業務もさらにふえていくことが考えられます。このため、老朽危険家屋への対処を積極的に進めるためには、危険家屋の対処を中心に行う専門チームなどが必要な時期に来ていると考えます。特段の配慮を求めておきます。  さて、改めて老朽危険家屋について述べたいと思います。  皆さん御存じのとおり、熊本市でも空き家の増加、特に老朽危険家屋の増加が深刻な問題となっています。こうした状況は全国の自治体も同じで、空き家管理条例を制定し、積極的に老朽危険家屋等の除去に動き出しています。国土交通省によれば、平成26年10月現在で、401の自治体が何らかの条例を制定しているとしています。  また、国でも、いわゆる空家対策法案が審議され、平成26年11月に空家等対策の推進に関する特別措置法が制定され、それまでの条例だけを根拠とした対策ではなく、法に基づく対策が行えることになりました。  この特措法には4つの大きな特徴があります。その特徴を紹介すると、1点目が立入調査が可能になったことです。これにより、それまでお願いだったものが、所有者把握の調査や、さらに立入調査が可能となりました。2点目が、固定資産情報の利用が可能になったことです。これにより、登記では所有者がわからなかった場合に、固定資産税情報を利用し相続人等を特定できるようになりました。3点目が特措法の最大の特徴で、第2条で新たに特定空家等という言葉が定義されたことです。具体的には、1、倒壊等、著しく保安上危険となるおそれのある状態、2、著しく衛生上有害となるおそれのある状態などの4つを定義し、その上で指導、勧告、命令、代執行ができることを明記しています。そして4点目が、平成27年度の税制改正で、市町村が所有者等に必要な措置をとるよう勧告した場合は、固定資産税等の住宅用地の優遇措置、いわゆる住宅用地の特例が除外されることです。この住宅用地の特例とは、人が住んでいる住宅については通常、固定資産税は最大6分の1、都市計画税が3分の1まで減額される特別措置ですが、これが勧告を受けた場合には、特例措置を外し、最大で固定資産税を6倍、都市計画税を3倍にすることができるようになりました。  こうした中、先ほど400以上の自治体で条例が制定されていると述べましたが、熊本市でも平成25年12月に老朽家屋等の適正管理に関する条例を制定しています。こうした各地の条例を比較してみると、行政が行う措置には、指導、勧告、命令、公表、そして代執行の5つがあり、どこまでうたっているかはまちまちです。ちなみに熊本市の条例では、助言または指導、勧告、命令、公表までは規定していますが、5つ目の代執行は規定していません。熊本市が条例を制定した平成25年当時、36の自治体が代執行まで定めており、現在は半々のようです。なぜ熊本市では代執行をうたわなかったのか、当時の議論の流れを振り返ると、国の特措法制定前であったことのほかに、熊本市の住宅政策議論が、空き家対策の中でも空き家の活用、いわゆるストックの活用に重きが置かれていたことは否めません。  さて、話は変わりますが、平成25年4月、熊本市附属機関設置条例の規定に基づく、熊本市住宅審議会が設置されました。委員構成は、学識経験者、民間団体関係など16名となっています。調査審議項目は、要綱によると、1つ、住宅水準の向上及び住環境の整備に関すること、2つ、公的住宅の供給及び管理に関すること、3つ、民間住宅にかかわる施策に関することとし、そのほか市長が必要と認める項目となっています。この審議会には住宅支援部会があり、平成25年10月の議事録に興味深いやりとりがあっています。そのやりとりを紹介します。  部会長が、危険老朽家屋について、空き家と住んでいる家は施策としては分けた方がよいとの見解を示したのに対し、事務局は空き家と住んでいるとでは変わらないと答弁。さらに、委員から空き家と住んでいる家では対応が違うのではないかとの問いに、事務局は確認するとのみ答弁しています。議事録から、このころの執行部は、人が住んでいない危険老朽家屋の除去等の難しさについて余り認識されていないことがわかります。そしてもう一つ、人が住んでおらず老朽化して、市民生活に被害が及ぶ危険性のある家屋の実態調査が正確になされていなかったことも、早急に危険家屋の除去を目指す方向を打ち出せなかった要因ともなりました。  そうした中に起きたのが熊本地震でした。そして、老朽危険家屋の危険性がさらに高まることになりました。具体的事例でいうと、所有者であり住民であった方が亡くなった後、空き家となり放置され続け老朽化が進み、構築物の一部が台風などのときに周辺に飛散する危険性が指摘されていた住宅がありましたが、さらに熊本地震で傾き、周辺住宅や道路の通行を阻害する危険性が高まった住宅があります。周辺住民からは、平成25年の条例制定前から相談が続けられていたのですが、一向に改善が進まない中で熊本地震が起き、家が傾き、いつ被害が周辺に及ぶのかわからず、ますます眠れない日々が続いています。こうした状況を踏まえ、熊本地震発生直後の早い段階から、何らかの対策を執行部に求めてきました。  そこでお尋ねいたします。  1点目、こうした老朽危険家屋の倒壊から市民の生命と財産を守るために早急に対処すべきと考えますが、改めてお考えをお示しください。  2点目、熊本地震後、こうした物件の対応はどうされてきたのでしょうか。  3点目、現行の条例では、対処として助言または指導、勧告、命令、公表の4つがありますが、熊本地震発生以降の対処方法別の状況を示してください。  4点目、代執行もうたった条例に改正すべきと考えますがいかがでしょうか。  5点目、建物の公費解体が進められています。これとあわせて、二次被害の発生が危惧される老朽危険家屋等の除去をどのように進めるのでしょうか。  以上、1点目から4点目は都市建設局長に、5点目は環境局長にお伺いいたします。         〔肝付幸治都市建設局長 登壇〕 ◎肝付幸治 都市建設局長  私からは、老朽危険家屋の対応状況等について順次お答えいたします。  今回の熊本地震により、老朽危険家屋の危険性がさらに高まっているものもありますことから、その対応は喫緊の課題と捉えております。  そのようなことから、地震後におきまして、危険度の高い老朽空き家につきましては、法務局の御協力をいただき登記情報を速やかに入手し、所有者等に対し空家特措法に基づき、助言並びに口頭や文書による指導を行ってきたところでございます。あわせまして、半壊以上となった空き家につきましても公費解体の対象とされましたことから、その周知に努めてきたところでございます。  また、条例に基づく対応状況につきましては、ただいまお答えしました老朽空き家の対応と同様に、所有者に対し維持保全や解体の助言、指導を行ってきたところでございます。  最後に、代執行が可能となるよう条例の改正をというお尋ねでございますが、平成26年4月に施行いたしました熊本市老朽家屋条例につきましては、平成27年5月に空家特措法が施行されたことに伴い、法律と条例で重複する空き家の維持保全は法律で、居住者がいる老朽危険家屋については条例で対応するため、平成27年10月に一部改正を行ったところでございます。その際、代執行の規定につきましては、行政代執行法により執行が可能でありますことから、当初制定時同様に明文化は行わなかったところでございます。         〔中村英文環境局長 登壇〕 ◎中村英文 環境局長  私からは、熊本地震により被災した老朽危険家屋のうち、二次被害が危惧される家屋の除去の進め方についてお答えいたします。  まず、危険家屋の所有者などにより解体の申請があった場合は、一級建築士などの専門家により現地確認を行い解体の必要性を判断し、さらには優先度も考慮した上で解体撤去を行っております。  また、所有者の行方がわからない空き家につきましては、解体の必要性を判断した後、不在者財産管理人制度を活用し、家庭裁判所へ財産管理人選任の申し立てを行い、選任された司法書士により解体に関する処理手続を進めているところでございます。  今後も、二次被害が危惧される老朽危険家屋につきましては、関係部局と連携を図りながら、解体の優先度も適切に判断し、公費解体を進めてまいりたいと考えております。         〔鈴木弘委員 登壇〕 ◆鈴木弘 委員  環境局長からは、二次被害のおそれのある建物の除去方法として、所有者などからの申請があった場合には、確認の上、解体、除去を進め、所有者の行方がわからない危険家屋は不在者財産管理人制度を活用して除去を進めているとの答弁がありました。  また、都市建設局長からは、震災後に国の特措法や市の条例、そして公費解体の内容を所有者などに助言、指導を行ってきたとの答弁があったとおり、条例や特措法でのその先の措置である勧告、命令、公表、そして最後の代執行は行われていないことがわかります。  このほかに、熊本市の条例でも代執行を入れてはどうかとの質疑に対しては、国の特措法で代執行までうたわれていることから、条例での対象は居住者がいる老朽危険家屋のみとし、その他の居住者がいない、いわゆる世間一般でいう空き家などの老朽危険家屋は特措法で対処していくよう整理したとの答弁でした。  一定の理解は示すが、先ほど述べましたように、例えば建築指導課など通常の業務を抱える部署では対策を進めるのには限界があり、専門に行うところが必要な段階に来ていると考えます。改めて、専門組織設置の検討を求めておきます。  質疑を続けます。  さて、先ほど国の特措法について述べました。国では、これと並行して老朽危険家屋除去対策を進めるため、社会資本整備総合交付金として、空き家再生等推進事業、除去事業タイプと活用事業タイプの補助メニューを示しています。補助の詳細は省きますが、国交省によると、老朽化した空き家住宅を除去しポケットパークとして活用した福井県の事例や、町家を改修して滞在体験型施設として活用した奈良県、同じく長屋住宅を改修し交流展示施設として活用した広島県の事例などが示されています。これら事業を活用するためには、空家等対策計画の策定が前提となっていますが、ともに老朽危険家屋の二次被害のおそれを除去するだけでなく、まちづくりの一助ともなっている事業です。被災した新町、古町地区の再生にも寄与するのではと考えています。  国交省によると、この空家等対策計画の策定状況は、平成28年10月時点で1,741ある市町村のうち、策定済みまたは予定ありが1,447自治体で、残りの294自治体が予定なしとなっています。また、特措法では法定協議会の設置もできるとしています。  そこでお尋ねいたします。  せっかく住宅審議会を設置しているのですから、審議の中で、特措法でいうところの空家等対策計画の策定と法定協議会の設置について審議することはできないでしょうか。  ところで、空家等対策計画等についての質疑骨子が担当課長に届いたとき、ちょうど住宅審議会委員宛ての手紙を書いていた最中だったようです。タイムリーだったのかなと思えるエピソードでした。明確な答弁が返るのではと期待いたします。  以上、大西市長に答弁を求めます。         〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  住宅審議会の再開と空家等対策の推進に関する特別措置法、いわゆる空家特措法に定められております法定協議会の設置や空家等対策計画の策定について、順次お答えいたします。  まず、住宅審議会の再開についてでございますが、住宅審議会は、住宅政策の重要事項を審議するために平成25年4月に設置し、これまで住生活基本計画や空家対策の取り組み指針の策定等について審議していただいてきたところでございます。  本年度は熊本地震によります震災対応を優先しましたことから、住宅審議会の開催を休止しておりましたが、来年度から熊本地震についての対応状況や被災者の生活再建に向けたトータルケアの推進など、復旧・復興についても審議していただく予定でございます。  次に、空家特措法に基づく法定協議会の設置についてでございますが、老朽危険家屋への対応を進めるに当たり、個人財産に関し公平・公正な判断が必要となるため、国の指針や他都市の事例を参考に法定協議会を設置したいと考えております。  最後に、空家等対策計画の策定についてでありますが、これまでも空家対策の取り組み指針に基づき対策を進めてまいりましたが、今後増加が見込まれます空き家の利活用や除却を進め、良好な居住環境の形成を図るための空家等対策計画について、法定協議会での議論を踏まえ策定してまいりたいと考えております。         〔鈴木弘委員 登壇〕 ◆鈴木弘 委員  さて、大西市長からは、熊本地震により休止せざるを得なかった住宅審議会を再開するとの答弁がありました。また、国の特措法で示されている法定協議会の設置や空家等対策計画の策定を進めるとの明快な答弁もありました。やはりタイムリーだったように思います。  こうしたことが進めば、居住者がいる老朽危険家屋、例えば新町、古町地区の町家などの新たな活用や危険家屋の除去、さらには居住者のいない老朽家屋の除去も含めた対策が学識者などの知見も活用し進められることになります。他都市の事例などもよく研究し、よりよい空家等対策計画の策定と法定協議会の設置をお願いしておきます。  次の質疑に移ります。  通告の2、震災対応としての生活再建支援について、市営住宅等を優先提供した要援護者などについて質疑を行います。  関連当初予算としては、被災者住宅支援事業が計上されています。間もなく熊本地震発災から1年がたちます。仮設住宅やみなし仮設住宅、そして市営住宅等を優先提供した要援護者、具体的には要介護者、障がい者、妊婦、乳幼児がいる世帯などの方々たちの入居期限は基本的には入居から2年間となっており、早い世帯では折り返しの時期を迎えます。こうした一時入居されている方たちの実情は千差万別です。震災前の住まいが持ち家か賃貸かでも違いますし、一時入居している形態が仮設住宅、みなし仮設住宅、そして市営住宅等に優先入居した要援護者世帯などでも違います。  そこで、最も多いみなし仮設住宅にお住まいの世帯の場合を考えてみます。震災前が持ち家の世帯では、解体が終わり住宅を再建できた場合、もと住んでいた場所をついの住みかとすることができます。一方、住宅再建のめどが立たない世帯は、住宅再建を断念し公営住宅や民間賃貸住宅等をついの住みかにするのか、選択を迫られる時期が訪れようとしています。  次に、震災前から民間賃貸住宅に住んでいた世帯の場合はどうでしょうか。世帯員が4人以下の場合で、原則家賃が6万円以下の民間賃貸住宅に一時住まいをされているわけですが、地震直後から物件の供給が慢性的に不足し、震災前より契約家賃がより高く契約されている世帯が多いのではと思います。こうした世帯の場合、市営住宅等、公営住宅に当たればよいのですが、民間賃貸住宅借り上げ制度が終了した後は、震災前より高い家賃を払い住み続けるのか、新たに安い賃貸住宅をもう一度見つけるのか、選択を迫られる時期が訪れようとしています。  こうした選択を迫られる世帯で、働き盛りだけの世帯であればまだよいのかもしれませんが、特に高齢者だけの世帯等にとっては、保証人の問題や家賃の問題、さらにはついの住みかを見つけられるのか、世帯によっては支援期限が1年後と迫る中、さらなる大きな不安、ストレスを抱える時期が確実に近づいています。さらに、市営住宅等に優先入居されている要援護者世帯では、深刻な問題になるのではと危惧しています。  こうした要援護者には、熊本地震発災後、高齢介護福祉課、障がい保健福祉課、子ども支援課、そして復興部、住宅部が連携して、市営住宅等へのあっせんに努力されてきました。要援護者の状況が一人一人違う中、今の仮住まいにたどり着くまでに、職員も御本人も大変な苦労だったと思います。その努力には大変感謝しています。だからこそ、仮の住まいからついの住まいへとどのように支援していくのか、支援期間の折り返しを迎えつつある今だからこそ、次の対策の検討を具体的にスタートすべき時期に来ていると思います。  そこでお尋ねいたします。  1点目、千差万別の事情を抱えながら、仮設住宅、みなし仮設住宅、そして市営住宅等を優先提供した要援護者世帯への対策を、関係部局が情報を共有し具体的な対策をスタートすべき時期に来ていると考えますが、お考えをお示しください。  2点目、また、早い世帯では、この春以降に支援の折り返しに来ると述べました。先行きの不安がふえていく時期に入ります。期限終了後はどうなるのか、検討結果をしっかり踏まえ、少しでも安心感を与えるため、この夏ぐらいまでに対策を決めお知らせできるようにすべきと考えますが、いかがでしょうか。  以上2点について、政策局長にお伺いいたします。         〔古庄修治政策局長 登壇〕 ◎古庄修治 政策局長  私からは、被災者に対する住宅確保支援に関する2点の御質問にお答え申し上げます。  1点目の要援護者世帯対策の情報共有についてでございますが、本市では平成28年7月から仮設住宅などに入居された被災者の方を対象に全戸訪問による聞き取り調査を行っているところでございます。さらに、11月からは各区役所に地域支え合いセンターを設置しまして、戸別訪問の継続や見守り等の支援を行っているところでございます。これらの取り組みで得られた情報をもとに、保健福祉部門及び各区役所の関係各課や復興部を構成メンバーとする熊本市仮設住宅入居者くらし再建会議や区連絡調整会議、区個別支援会議におきまして、世帯ごとの情報に応じた効果的な支援につなげていくため、被災者の情報共有と連携を図っているところでございます。  2点目の今後の住まいの確保対策についてでございますが、現在8,000世帯を超える仮設住宅等の入居者に対しまして、入居期限であります2年後の恒久的な住まいとしての市営住宅への入居意向調査をしているところでございます。この調査では、市営住宅への入居要件、家賃等を具体的に示した上で、入居意向を確認することとしておりまして、今月中に集計、分析を行う予定でございます。  また、今後は、この分析結果をもとに、住まいの再建相談として、現在の悩みや課題について洗い出しを行ってまいりますとともに、被災者が望む場所など条件に合った市営住宅や、民間住宅のマッチング及び不動産会社との手続支援など、被災者個々の状況に応じた伴走型のきめ細やかな支援を行うため、新年度予算案に必要な経費を計上したところでございます。  今後引き続き、庁内関係各課はもとより、関係機関、関係団体との連携を密にしますとともに、被災者の現状やニーズ把握、そしてこれらの分析に基づく住まいの確保、再建策の検討協議を進めてまいりますとともに、具体的な対策をできるだけ早く取りまとめまして、被災者の皆様への情報提供に努めることで、被災者の皆様の安心感につなげてまいりたいと考えております。         〔鈴木弘委員 登壇〕 ◆鈴木弘 委員  住宅再建についてお伺いいたしました。答弁では、昨年7月からの全戸訪問と各区役所の地域支え合いセンターなどの情報をもとに、支援会議などを行っているようです。  また、市営住宅への入居意向調査は8,000余りの世帯に行っており、3月末までに集計、分析ができるようです。その上で、提供できる市営住宅には限りがあることやニーズの違いなどもあることから、民間賃貸住宅のマッチングや手続支援など、きめ細やかな支援を行うための新たな伴走型の住まい確保支援事業3,300億円をスタートさせるようになっています。  春を過ぎれば、原則としての支援期限の折り返しを迎えます。これからが生活再建の多様化がますます進みます。答弁では、入居期限が早ければ1年後と迫る中、その後の移行をどのように市民に寄り添いながら進めるのか、関係団体等との協議が調い次第、できるだけ早くお知らせするとのことです。状況によっては期限の延長も含め、しっかりと協議を調えた上で、一日でも早い周知を求めておきます。  続けてお尋ねいたします。  2点目、生活保護世帯の一時住まい提供終了後の住宅確保における特段の配慮についてお伺いいたします。  関連当初予算としては、生活保護費が計上されています。執行部からは、熊本地震後に住宅扶助基準内での住宅確保が困難になったことを受け、必要なものについては住宅費特別基準を適用し、12月末現在で被災により民間住宅に転居した723世帯のうち45世帯にこの特別基準を適用したと伺っています。こうした特別基準の適用は、市民に寄り添うという観点から評価したいと思います。  また、執行部からは、この特別基準の適用は、みなし仮設住宅と同様に最長2年としているとも伺っており、熊本地震が発生してから残り1年となりつつあります。このまま期限が来ると、生活保護の特例基準の適用を受けて転居された方々は、基本的には新たに住宅扶助基準内家屋へ再転居しなければなりません。このままでいけば、前震、本震という未曽有の地震を経験し、大変なストレスを抱えたまま一時住まいを余儀なくされ、その場所にもなれてきたかと思うころにもう一度転居しなければならないことになります。  そこでお尋ねいたします。
     特別基準による一時住まいの期限が残り1年となりつつあります。希望すればそのままの住まいに住み続けることはできないでしょうか。また、生活保護法での住宅費特別基準の適用は、必ずしも地震被害だけに適用されるものではないと認識しています。例えば、高齢世帯等、個々の実情に応じ対応すべきと考えますがいかがでしょうか。健康福祉局長にお伺いいたします。         〔池田泰紀健康福祉局長 登壇〕 ◎池田泰紀 健康福祉局長  住宅扶助の特別基準の適用期間につきましてお答え申し上げます。  ただいま委員が述べられましたとおり、住宅扶助の特別基準につきましては必ずしも地震被害だけに適用するのではなく、例えば車椅子使用の障がい者等が通常より広い居室を必要とします場合や、高齢者等でこれまでの生活状況から転居が困難と判断された場合などにも適用しているところでございます。  今後に不安を抱えていらっしゃる方もおられると思いますので、個々の世帯の実情を丁寧に把握いたしまして、必要と判断された世帯につきましては、特別基準を適用してまいりたいと考えております。         〔鈴木弘委員 登壇〕 ◆鈴木弘 委員  生活保護費のうち、住宅扶助の特別基準の期限の取り扱いについて伺いました。この特別基準ですが、厚生労働省社会援護局長通知では、厚生労働大臣が定める額を超える場合について規定してあり、上限や条件を設けた上で必要な額を設定して差し支えないとしています。具体的には、実施期間限りで、具体的には熊本市で、設定できる特別基準一覧表では、住宅費については、1、家賃、間代、地代の費用、2、敷金等、3、契約更新料等、4、住宅維持費等、5、雪おろし費用を対象としています。このように、地方自治体の判断で基準内での特別基準を設定できるようになっています。この認識に立って、早い世帯では適用期間となっている2年間の折り返し時期に来つつあることから、不安を払拭するため質疑を行いました。  局長からは、個々の世帯の実情を丁寧に把握した上で、必要と判断した世帯にはそのまま特別基準を適用するとの明快な答弁がありました。局長から事例として紹介があったように、車椅子を使用している方にとってはバリアフリーが必要で、室内の移動にも制限があり、入居できる住宅は限定されます。こうした方々にとって、特別基準の適用は不可欠です。早目に個々の実情を把握し、あなたのところは特別基準をそのまま継続できますよと伝えていただければ喜ばれると思います。よろしくお願いいたします。  次の質疑に移ります。  3、震災対応としての就学前児童・乳幼児支援について、被災した認可外保育所施設への支援制度の創設についてお尋ねします。  当初予算関連では、認可外保育施設利用者支援経費が計上されています。熊本地震を受けて、熊本市では認可外保育施設利用者支援事業を創設し、保育料の支援を行うための予算が執行されています。昨年5月に行った熊本地震関連の要望、認可外保育所の被害状況等の実態調査と支援に対する真摯な対応として評価したいと思います。  その上でお尋ねいたします。  1点目、認可外保育施設利用者支援経費として2,460万円が、国費等を財源として計上されています。支援内容と対象者数をお示しください。  2点目、このほかに認可外保育施設助成事業として1,840万円、認可外保育施設保育環境向上事業として約430万円が計上されています。恐らくこれは通常の支援事業だとは思いますが、それぞれの事業内容をお示しください。  3点目、また、被災した認可外保育施設への支援はあるのでしょうか。  以上3点について、健康福祉局長にお伺いいたします。         〔池田泰紀健康福祉局長 登壇〕 ◎池田泰紀 健康福祉局長  認可外保育施設に関します3点のお尋ねに、順次お答え申し上げます。  まず、1点目の認可外保育施設利用者支援経費につきましては、委員御案内のとおり、熊本地震で被災しました認可外保育施設を利用されている家庭の経済的負担の軽減を図りますため、熊本地震復興基金を活用して創設されたものでございます。支援の内容といたしましては、全壊の方につきましては、認可外保育施設の利用料の全額、半壊の方につきましては利用料の半額を支援いたすものでございまして、平成29年度の対象者数は90人と見込んでおります。  次に、2点目の認可外保育施設助成事業につきましては、認可外保育施設の児童の健康診断経費や乳児保育、障がい児保育に係る経費に対する一部助成を行っておりまして、また、認可外保育施設保育環境向上事業につきましては、保育の質や安全の確保を図る目的で、保育士等の資格を持った嘱託職員を雇用いたしまして、認可外保育施設へ定期的な巡回指導、支援を行っているものでございます。  最後に、3点目の、被災しました認可外保育施設への支援につきましては、2月補正予算に計上いたしました保育所等設備災害復旧経費におきまして、認可外保育施設も補助対象となっているところでございまして、室内遊具や本棚などの備品、給食機器等の買いかえ、空調設備の改修などに係る経費の助成を行うものでございます。         〔鈴木弘委員 登壇〕 ◆鈴木弘 委員  熊本地震発災後に認可外保育施設管理者の方々に集まってもらい、浜田委員とともに実態把握と意見交換を行いました。熊本地震発災からしばらくして、熊本市からは被害の実態調査依頼がファクスであったそうですが、そのときに集まっていただいた熊本市以外の市町村の中には、調査依頼も届いていなかったところもありました。市町村の規模と被災状況によって、発災当時は実態把握まで手が回らなかった様子がうかがえます。  そうしたこともあって、認可外保育所の管理者の思いは、同じ乳幼児たちを預かっているのに、蚊帳の外に置かれたような強い疎外感を持たれていました。それでも、震災後間もなく開園できた施設の中には、乳幼児に認可外も認可も関係ない、同じ子供たちとの思いから、他の施設に通園できなくなった多くの子供たちを預かった施設もありました。市役所職員のお子さんもお世話になっていました。  こうした中で、支援の対象外となっていた認可外保育所にも何らかの支援ができないかと国や市に要望してきましたが、答弁にあったように認可外保育施設利用支援は平成29年度も90名の対象が継続されるとのことです。また、施設についても、2月補正で保育所等設備災害復旧費が支援されるようになり、また、当初予算の認可外保育施設助成事業では、通常の支援策が確保されているようです。  昔は、認可外保育所への支援といえば健康診断経費だけが補助対象となっていたのと比べると、確実に拡充していただいていますが、預かる子供たちに差別はないとの考えに立って、さらなる拡充を求めておきます。  次の質疑に移ります。  4、震災対応としての文化スポーツ振興対策について、文化スポーツ向上策につながる施設の再検討と整備についてお尋ねします。  関連当初予算としては、水前寺競技場改修費用、公設運動施設災害復旧経費が計上されています。これまで執行部からは、水前寺陸上競技場について、災害復旧と並行して、県内唯一の第2種公認競技場の条件整備のため、芝改修工事及び競技備品の更新を行うこと、また、国際大会の開催に伴う外国人の受け入れや地域の防災拠点としての機能強化の両面から、バリアフリー化などの環境整備を行い、地域経済の活性化を図ると伺っています。  さて、水前寺運動公園には、皆さん御案内のように、サッカー場を兼ねた陸上競技場、野球場、熊本武道館、そして競輪場がひしめくようにあります。熊本地震発災直後にそれぞれの施設の被害状況調査に伺いました。競輪場ではバンクに亀裂が入り、ガラスも飛散し使用できない中、選手たちが自主的にボランティアセンターを立ち上げ、被災者への支援に奔走している姿に触れ感動しました。選手の代表からは、後輩たちが、昨年になりますが、秋に予定されていた日本競輪学校入校試験のための練習が少しでもできるよう、バンク内のガラスの除去など環境整備をお願いされ、執行部に対処を要望し一日も早い改修を求めました。また、サッカー場を兼ねた陸上競技場は、客席も含め痛々しく壊れ、武道場は閉鎖されるなど、人の姿はなく閑散としている姿に心を痛めた記憶がよみがえります。  そこで、改めてお尋ねいたします。  1点目、昨年秋に行われた日本競輪学校入校試験の結果はどうだったのでしょうか。  2点目、水前寺陸上競技場については、芝改修工事及び競技備品の更新を行うと伺っていますが、特に電光掲示板は全く機能しておらず、前に聞いたときには改修にかなりの費用が必要と伺っています。金額からして当初予算には入っていないように思いますが、予定している競技備品の更新の具体的内容と、施設の使用開始予定をお示しください。  3点目、国際大会の開催に伴う外国人の受け入れや地域の防災拠点としての機能強化の両面からバリアフリー化などの環境整備を行うと伺っていますが、具体的内容とスケジュールをお示しください。  4点目、熊本地震で各施設が傷んだのですが、これを契機に水前寺運動公園の今後の方向性、あり方を再検討されてはいかがでしょうか。  以上4点について、経済観光局長にお伺いいたします。         〔石櫃紳一郎経済観光局長 登壇〕 ◎石櫃紳一郎 経済観光局長  4点のお尋ねに順次お答えいたします。  まず、日本競輪学校への熊本からの合格者の数についてのお尋ねでございますが、入学試験が昨年10月に一次試験、11月に二次試験が実施されまして、男性16名、女性1名の計17名の方が受験され、男性4名、女性1名、計5名の方が合格されております。  次に、水前寺競技場の整備についてでございますが、競技備品の更新の具体的内容といたしましては、棒高跳び用マット、移動障害物バー一式、時間告知板4台で、合計650万円の予算を計上いたしております。  また、電光掲示板につきましては、御指摘のとおり落雷によりまして故障しておりますが、機種が古く部品が廃番となっておりまして、修理ができないことが判明いたしました。その後、購入設置を検討してまいりましたところ、約3億円と高額でございまして、現在、購入設置を見送っている状況ではございますが、今後、リースなども含めまして低廉な価格で設置できないかということを検討してまいりたいと思っております。  水前寺競技場の利用状況につきましては、昨年12月から高校生や一般市民の練習場所として、安全を確認の上、トラック部分のみを開放いたしております。そのほか、メーンスタンドとフィールドにつきましては、それぞれ耐震改修と芝の張りかえを行いまして、8月には開放を予定しているところでございます。  また、地震で大きな被害を受けておりますサイドスタンド、バックスタンドにつきましては、平成30年2月以降の利用再開を目指して、復旧工事を進めてまいります。  3点目のバリアフリー化などの環境整備についてのお尋ねですが、アクアドームや総合体育館につきましては、2019年の国際スポーツ大会の開催や2020東京オリンピック・パラリンピック事前合宿誘致を見据えました施設整備とあわせまして、熊本地震の際に避難所や物資配送の拠点となりましたことから、防災拠点としての機能強化を図るためバリアフリー化に取り組むものでございます。  まず、アクアドームにつきましては、52基のトイレの洋式化として、平成28年度に設計を完了し、平成29年度に6,570万円の予算で工事を予定しております。工期は6月から翌年3月まで、10カ月間を見込んでおります。  総合体育館につきましては、27基のトイレの洋式化、トイレフロアのフラット化並びにドライ式への改修設計を平成29年度に約580万円の予算を計上し、平成30年度に施工を予定しております。  最後に、水前寺運動公園の今後についてでございますが、幸いにも被害がなかった野球場は既に営業を再開しておりまして、競技場につきましては、国土交通省災害復旧事業手続に基づき、平成30年2月以降の再開に向けて作業を進めているところでございます。また、水前寺運動公園でございますが、緑豊かな公園の中に各施設を有しておりますことから、市民、とりわけ青少年のスポーツ向上の場でありますとともに、観戦を楽しむ場所として多くの市民に親しまれているところでもございます。今後の方向性、あり方につきましては、中長期的な課題といたしまして、施設利用者や競技団体などから広く御意見を伺いながら、まずは利用者である市民の皆様のために、一日も早い施設の利用再開に向けて最大限の努力をしてまいります。         〔鈴木弘委員 登壇〕 ◆鈴木弘 委員  ありがとうございました。  熊本からの日本競輪学校入学合格者は、5名とのことでした。熊本市の中でよく頑張ったなと思います。  過去5年間の合格者を調べてもらいました。ちょっと紹介します。平成24年が1人、平成25年がゼロ人、26年、27年が1人でしたが、昨年は震災にもかかわらず5人も合格し、そのうちの1人は女性とのこと、この5年間で初めての合格となります。テレビでも学校生活の様子が紹介されていますが、入学後1年間、朝6時半に起床し、夜10時に就寝という規律が厳しい中、ハードな訓練を受け、卒業した後、国家試験である選手試験検定に合格して初めてプロとなります。最近は女子競輪も人気になっていて、熊本地震を経験した全員がプロになり、注目選手が生まれれば復興の後押しとなり、熊本市民に元気を送ってくれると確信しています。今後もしっかりと応援していきたいと思います。  陸上競技場の電光掲示板については、第2種公認競技場としても、さらにはラグビーワールドカップ開催期間のプロサッカーの競技場としても必要不可欠なものと考えており、リース等も含め設置を検討するとのことですので、期待しております。  スタンドの改修も終了し、本格的な利用は30年2月以降のようです。また、バリアフリー化はアクアドームと総合体育館を中心になされるようです。  さらに、水前寺運動公園のあり方は、中長期的な課題との認識が示されました。多種多様な意見があります。熊本市全体としての検討を求めておきます。  次に、5、若者のための住宅政策について質疑してまいります。  さて、公明党の政策要望では、若者世代の定住加速を目指して5項目の要望を行っており、そのうちの住宅政策について伺っていきます。  関連当初予算としては、項の住宅費が計上されています。政策要望で、若者住宅対策として求めたものは3項目、若者の定住促進対策の策定、2番目に現在も実施していただいている入居促進住宅の推進、そして3番目に若者世帯専用住宅の検討です。  2番目の入居促進住宅は、平成23年の一般質問で、国で公営住宅法の改正が検討されているのを受け提案したものです。前市長からは、法案が成立した場合、入居要件等の自治体の裁量権が広がることを受け、古い団地の一部やエレベーターのない上層階などに若者も応募できるように制度を変更したいとの答弁があり、平成24年度からスタートいたしました。具体的には、低倍率の単身入居可能な市営住宅に単身若者も応募可能となっています。こうした取り組みは、全国でもまれな取り組みとなっています。そのほかの若者世帯専用住宅と若者の定住対策の策定は、課題として検討いただいてきたところですが、次の時代を担う若者定住促進には総合的な若者の住宅政策の策定は欠かすことができないと考えています。  そこでお尋ねいたします。  熊本市の住宅事情も地震により大変大きく変化している状況であり、また、先ほど紹介した熊本市住宅審議会には、熊本地震のため平成28年度は一度も開催されていません。要綱には、調査審議項目に、その他市長が必要と認めるものとあります。先ほど老朽危険家屋のところで大西市長からは、住宅審議会を再開するとの答弁もありました。審議会の再開とあわせて、改めて若者の定住促進に寄与するような住宅政策の策定に向けた検討を求めてはいかがでしょうか。大西市長に答弁を求めます。         〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  若者の定住促進に特化した住宅施策の策定に向けた検討についてお答えいたします。  将来の熊本を見据え、人口減少や超高齢社会の進展に的確に対応していくためには、若い世代のさらなる活躍は不可欠であることから、震災からの速やかな復興に向けた取り組みを着実に推進しながらも、若者が働き住み続けてもらえるよう、魅力的なまちづくりを進めていかなければならないものと認識しております。そのため、雇用の場の拡大や質の向上に努めることはもちろんのこと、新たなにぎわいの創出、さらには子育て支援の充実、教育環境の整備、まちづくり支援機能の強化など多面的な取り組みを展開することによりまして、若い世代の希望をかなえ、いつまでも住み続けたいまちづくりを推進することとしております。  そのようなことから、住宅政策におきましては、良好な居住環境の形成に向けて、増加する空き家の対策や住宅性能の向上などに対し支援しているところでございますが、熊本地震によりまして本市の住宅状況も大きく変化しておりますことから、今後、被災者の恒久的な住まいの確保への支援や、若者の定住促進を含めて、住宅政策の方向性を定めている住生活基本計画を見直してまいりたいと考えております。         〔鈴木弘委員 登壇〕 ◆鈴木弘 委員  大西市長からは、地震で住宅状況も大きく変わったとの認識に立って、被災者の恒久的な住まいの確保支援と、質疑で求めた若者への定住促進を含め、住生活基本計画の見直しを行うとの答弁がありました。現在の住生活基本計画が作成された後、熊本市では第7次総合計画、そしてしごと・ひと・まち創生総合戦略の策定がなされ、さらにその直後に予期せぬ熊本地震が発生、住宅状況も大きく変わったことから、見直しに着手することは大変意義あることと考えます。  さて、公明党市議団のマニフェストでは、若者の定住促進対策を女性の活躍支援策とともに3つのビジョンの1つとして位置づけてきました。次の20年、30年先を開き、担うのは若者たちだからです。  この若者定住促進対策について北九州市を調べたところ、熊本市以上に喫緊の課題となっていました。北九州市では、同じ県内に九州最大の政令市福岡市があり、多くの若者が福岡市に流れ、熊本市よりも厳しい状況にあるようです。  そうした中で作成された北九州の地方創生総合戦略の基本方針には、次のようになっています。紹介すると、女性と若者の定着などにより、社会動態をプラスにしていき、地方創生の成功モデル都市を目指す、です。具体的内容を見ると、目標では市内大学生の地元就職者数1.2倍を目指すとしています。また、北九州市に住んで福岡市圏に通勤、通学するライフスタイルの支援、北九州に住みたいと思う転入者の応援対策と銘打ち、一定の条件を満たす若者世帯への家賃等の一部助成、新生活に要する費用の負担軽減策、さらには住宅取得への補助制度を平成27年度から創設するなどしています。このほか、北九州以外の企業の社宅として市営住宅などを提供することや、新卒者の地元就職者への入居支援などの検討を始めており、このうちの市内大学を卒業し地元企業に就職する人への支援が、仄聞ではありますが、始まるか、始まったとも聞いております。  いずれにしろ、若者の定住促進、そして若者のための住宅政策は大変重要であり、第7次総合計画と地方創生総合戦略が目指す未来の構築には欠かせないものと確信しています。大西市長の答弁にあった新たな住生活基本計画の見直しによって、若者の定住促進に寄与する総合的な住宅政策が具体的に進むことに大いに期待したいと思います。  その他として、これは考えだけを述べたいと思います。子ども医療費についてですけれども、寺本議員の質問に対して大西市長からは、もちろんいろいろな御意見はこれから出てこようかと思っておりますが、そういったものをしっかり受けとめまして、また、議会の皆さんともしっかり議論する中で、今後よりよい制度となっていくように、そうした検討も今後加えていく必要があると思います。一部抜粋ですけれども、こうした大西市長の思いと、それから代表質問で井本議員からも質問させていただきました。これからはそれぞれの分科会に議論が移りますけれども、公明党市議団としては、厚生委員会でいろいろな形のシミュレーションのたたき台としての計算を提出していただくよう、資料を求めているところでございます。また、各会派からもいろいろな提案や意見が出てくると思います。  いずれにしろ、予算決算委員会の最後の締めくくりまでが、今提案されている内容についての結論を出す期間となりました。いろいろな方向で思いは一緒であろうと思いますけれども、果たして附帯決議に沿ったものとなっているのかも含めて、今後分科会での議論も、そして予算決算委員会での議論も踏まえ、会派としての考え方をまとめしっかりと対応していきたいと思っております。  以上で私の準備した質疑は全て終了いたしました。  今回の質疑で明らかになった今後の課題や方向性など、今後も一つ一つ前に進めていただくことを改めて求め、総括質疑を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○三島良之 委員長  公明党熊本市議団、鈴木弘委員の質疑は終わりました。  総括質疑の途中ではありますが、本日の審査はこの程度にとどめ、残余につきましては明14日(火曜)午前10時から再開したいと存じます。  これをもちまして、本日の委員会を閉会いたします。                              午後 2時27分 閉会 出席説明員    市長       大 西 一 史    副市長      高 田   晋    副市長      植 松 浩 二    政策局長     古 庄 修 治    総務局長     多 野 春 光    財政局長     宮 本 邦 彦    健康福祉局長   池 田 泰 紀    環境局長     中 村 英 文    経済観光局長   石 櫃 紳一郎    農水局長     西 嶋 英 樹    都市建設局長   肝 付 幸 治    消防局長     中 村 一 也    教育長      岡   昭 二 議会事務局職員    事務局長     田 上 美智子    事務局次長    富 永 健 之    議事課長     本 田 正 文    調査課長     中 川 和 徳...